ますます野生のカンが求められる時代に
AI時代を生き抜いていくためには、いささか逆説的ではありますが、「野生のカン」が必要だと、常日ごろ私は感じています。「そんなカンなんて、あてになるの?」と疑問をもつ人もきっと多いでしょう。
でも、先端のITの分野で世界的に活躍している人たちはみんな、いざというときには野生動物のような直感を信じて行動している、といいます。
ジャングルの野生動物たちは、「この果物は食べられるのか」「こいつは危険な動物か」ということを直感で見分けています。その判断が遅れてしまえば、たちまち死んでしまうからです。
これと同じように、AIがさらに発達するこれからは、重要な判断を瞬時に行なわなければならない時代に突入するでしょう。
しかも、判断するスピードもどんどん加速するはずです。そのスピードについていける直観力が備わっている人が勝ち残っていくのでしょう。しかし、こうした能力というのは、特別なものではありません。むしろ、人間の脳がもっとも得意とするところでもあるのです。
「人間の判断はたったの2秒」です。人間の脳は、その直感やひらめきによって、物事の本質を見抜いていくことができるからです。つまり、AIのようにデータを蓄積しなくても、結論がすぐに出せるというのが人間の強みだということです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
著:茂木健一郎
シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「脳」について切りこんだした一冊。「なぜ、脳から意識が生まれるの?」「ひと目ぼれは、どうして起きる?」「頭がいいって、どういう人?」人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。
公開日:2020.12.11