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動作を洗練させる大脳基底核の働き【脳の話】

Text:茂木健一郎

大脳の最奥部にある運動を調節するネットワーク

大脳辺縁系のさらに内側で、脳幹最上部の視床を取り囲むように存在しているのが大脳基底核です。大脳基底核は、情報伝達の中継や分岐を行なう神経核の集まりで、大脳皮質と視床(体から入ってきた感覚情報を大脳皮質に中継する)をつなぐネットワークを結んでいます。

大脳基底核は、線条体(尾状核と被殻)、淡蒼球、視床下核、黒質などの部位で構成されています。線条体は、大脳皮質(前頭葉や頭頂葉)からの電気信号の入力を受け、中継する役割をし、淡蒼球は、線条体から受けた信号を視床に出力します。視床は大脳皮質に信号を返します。

この神経回路は、運動の開始や停止のほか、運動を学習する機能をもつと考えられています。大脳皮質からの指令に基づいて正しい動きができたとき、報酬として黒質からドーパミンが放出される仕組みになっており、この積み重さねで動作が洗練化されていくというわけです。

大脳基底核が傷ついてしまうと、手足が勝手に動いたり、じっとしていられなくなるというような障害が起こります

動作が鈍くなったり、徐々に体が動かなくなるパーキンソン病は大脳基底核の損傷で生じる病気です。パーキンソン病は、黒質のドーパミンが欠乏して大脳皮質に送る信号が弱まることで、体が動かなくなる病気ですので、ドーパミンの薬物投与が治療に役立ちます。

なお、大脳基底核の働きの全貌はまだ明らかにされていません。記憶、認知機能、顔の表情にも関わっていると考えられています。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
著:茂木健一郎

シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「脳」について切りこんだした一冊。「なぜ、脳から意識が生まれるの?」「ひと目ぼれは、どうして起きる?」「頭がいいって、どういう人?」人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。

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