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沖縄に逃げ帰ったことも…西武ブランドンが辿り着いたプロへの道とは!?【東農大オホーツク流プロ野球選手の育て方】

Text:樋越勉

卒業までは見てあげられなかった3選手

岡本直也 2018年度卒・ソフトバンク(2019-) 
中村亮太 2020年度卒・ソフトバンク(2020-) 
ブランドン大河 2020年度卒・西武(2020-)

彼ら3人は私の異動で4年生の最後まで指導をできなかったのが心残りだが、その後も気にかけ面倒を見てきた選手たちだ。彼らも大いに飛躍する要素は持っている選手たちだ。

岡本は練習やトレーニングをやりすぎるとすぐ体のどこかが痛くなってしまうところがまだある。右腕の中村も評判が良いらしい。もともと彼の親戚である故・中村勝広さん(元阪神・オリックス監督およびGM)と生前、懇意にしていたこともあって「俺の親戚がいるから面倒見てくれ」とは言われていたし、千葉経済大附は優一を含めてお世話になっていたので、網走にやってきた。彼もまたそうした縁で繋がり、ドラフトでも育成指名ながら、これまた縁深いソフトバンクに入ることになった。彼の腕の振りとストレートの強さは大化けの可能性がある。ソフトバンクの恵まれた施設で素質を開花させて欲しい。

ブランドンは「南の海が恋しい」とか言って、一度逃げて沖縄に帰っちゃったこともある。沖縄の子にはそういう子が多い。慣れないんだよね。東京の大学に来てもそう。時間の流れが沖縄と違うんだろうね。彼らはゆっくりと生きているのだけど、常に追われて動かないといけなくなると大変なようだ。

 

 ブランドンは沖縄に行って私が説得した。あそこで逃げたまんまだったら、今ごろ沖縄で普通に働いているかもしれない。その説得時は「お前の将来どうすんの?」という話をした。あの子は頭が良くて沖縄の石川高校ではオール5の成績だった。だけど「野球で飯を食べたい」と網走に来たはず。だから「それで本当にいいのか?」と説得した。

 

もともとは日本ハムに行きたいって言っていたので、「ウチはパイプがあって、同じ北海道の大学の方が行きやすいんだぞ。近道だぞ」なんて言って誘った(笑)井口にもらったキャンプ時の帽子とかを彼にあげたりね。

 

でも途中から「西武に行きたい」と言い始めた。なんでも沖縄で行ったコンサート会場のトイレでバッタリ山川穂高と会って「お前イイ体してるな。野球でもしてるの?」と聞かれたらしい。「やってます!」と答えたら「野球頑張れよ」とも声かけてもらって、そこからすっかり「西武に」なんて言うように(笑)そしたら実際5位で指名されて、起用を見ていると素質を買われているようで楽しみだ。

  

やっぱり彼のパンチ力溢れる打撃は凄い。良い意味で日本人の打球じゃないところがある。打撃の良い選手がたくさんいるからお手本ばかりだし、一方で年齢層は上がっているからチャンスは大いにあるはずだ。ホームラン打った後に、急にメンバー外れたことがあって、「なんかやらかしたのか?」と心配になって担当スカウトに思わず電話をかけてしまった。

 

聞いたら脱水症状で倒れたらしい。不思議と沖縄の子は脱水症状になる選手が多い。沖縄がもともと暑いからこそ「自分は大丈夫だ」と思ってしまうのかもしれない。何はともあれブランドンも楽しみだ。ちょっと顔が良すぎるから余計なトラブルには気をつけてもらいたい(笑)。

出典:『東農大オホーツク流プロ野球選手の育て方』著/樋越勉

『東農大オホーツク流 プロ野球選手の育て方』
著者:樋越勉

多くのプロ野球選手を輩出する北の最果て、北海道網走市にある東京農業大学オホーツクキャンパス野球部。恵まれた施設環境ではないにも関わらず、なぜ有力選手が育つのか⁉東農大学野球部のカリスマ、樋越監督の選手を見抜く眼力と、その育成術を紹介‼プロ野球選手の育て方、ドラフトへ送り込む手腕、練習環境の整え方などを、具体的に解説するプロ野球ファンや指導者必見の一冊。愛弟子の周東佑京のコメントも収録。

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