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言葉遣いを変えればゴルフのスコアは良くなる!【思いで叶えるゴルフ上達法/佐久間馨】

Text:佐久間馨

言葉遣いを変えれば人間が変わる

私はプロゴルファーだけでなく、プロ野球選手やサッカーのJ リーグの選手のメンタルコーチも務めています。私が学んだメンタルコーチングはN L P という学問に基づいています。NLPとは、Neuro Linguistic Programmingの略で、日本語では神経言語プログラミングと訳されています。NLPは、1970年代アメリカで一流の精神科医の先生たちが、うつ病患者の治療にどんな言葉を使っているかを体系づけた研究から始まっています。そのため、もともとはうつ病患者に対してのみ有効だと考えられてきたのですが、研究が進むにつれ、健常者にも有効であることがわかってきました。さらに一流アスリートに使うと、より素晴らしい効果が現われることが確認されたのです。ゴルフの上達のためにメンタルのレベルを上げるのに、このN LPの考え方に基づいた言葉遣いの変更が大変役に立ちますので、いくつかのテクニックを紹介したいと思います。

① 否定語は使わない・使う人からは離れる
ゴルフコースには、打ってはいけないところがたくさんあります。たとえば、フェアウウェイの右サイドはO B が近く、左は深い林になっているようなホール。こんな状況に遭遇すると、ついつい「右も左も嫌だ!」と考えてしまいがちです。しかし、潜在意識は「嫌だ!」とか「~ ではない!」という否定語を理解してくれません。たとえば「O B を打たないように」、「3 パットしないように」と自分に言い聞かせたとしても、O B や3 パットが潜在意識に現われてきてしまい、それに向かって行ってしまうのです。ですので、このような失敗に関わる言葉は自分自身で使わないようにするのはもちろんのこと、なるべく耳にも入れないようにすべきです。「あそこのホール、難しいからなあ……」とか、「あれ、うまくいかないんだよなあ……」、「あのパー3、ビビっちゃってダメなんだよ」など、とにかくうまくいかないことを予知でもしているのか、否定的な言葉を連発する人がいますが、こういうのを聞いてしまうと、悪い影響を受けてしまうので、なるべくこういうことを言う人とは距離を置くのがよいでしょう。どうしても、ゴルフを一緒にしなくてはいけなくなったら、聞いているフリをして、ほかのことに意識を集中し、右から左へと聞き流すべきです。

メンバーさんのコースに同伴すると、その方が「このホールは右へ行っちゃ絶対ダメなんだよ!」と教えてくれることがあります。確かに右サイドはO B が浅くて、行ってはいけないのかもしれないし、相手も親切心から教えてくれているのでしょう。しかし、「右へ打ってはいけない」という言葉を聞いたとたん、脳も体もそっちへイメージが向いてしまいがちなのです。 ですので、否定語を徹底的に排除して、肯定語に表現し直しましょう。「3パットしないようにしよう」ではなく、「2パットでおさめよう!」。「右には打たないように!」ではなく、「フェアウェイの左サイドに打つ!」です。

言霊という言葉があるくらいなので、言葉には自分を動かす大きな力があることを昔の人も知っていました。だから、決して否定的なことを表現しないこと。「俺ってダメだな!」じゃなく、「大丈夫できる!」「絶対できる」と思い続けることがゴルフの上達には不可欠です。

先ほど、潜在意識は「嫌だ!」とか「~ ではない!」という否定語を理解してくれないとういう説明をしましたが、実は脳は自分事と他人事の区別もできません。たとえば、プロ野球で応援しているチームが得点を挙げて選手が喜ぶと、ファンも自分のことのように大喜びします。逆に、チームが失点し選手が落ち込むと、ファンも同時に悲しくなります。

プロ野球の選手にすれば、試合の勝ち負けは自分の評価につながり、来期の年俸、つまりは自分の生活に直結するので、喜んだり悲しんだりするのはある意味当然ですが、自分の生活とはなんの関係もないファンまで同じように喜んだり、悲しんだりするのは、脳が自他の区別ができないことによって起きているのです。この脳の特性は、ゴルフのスコアアップに生かすことができます。たとえば、同伴競技者のナイスプレイをしっかりと声に出して讃えてあげる。できれば拍手やハイタッチなどの動作を入れ、一緒になって喜ぶと、自分自身のプレイも良くなり、スコアアップにつながっていきます。

【書誌情報】
『信じればパープレイは必ずできる! 「思い」で叶えるゴルフ上達法』
著者:佐久間馨

「ゴルフを上手くなりたい」と考える人は、自分のスイングを直そうとします。それもひとつの方法ですが、スイングを直すだけではスコアアップは望めません。「練習不要」をうたい、「練習ぎらい」を書名にした著書もある本書の著者は、「パープレイは誰でもできる」と言います。その方法となるのは、プレイの発想方法とやり方を変えること。簡単にスコアがよくなる発想方法があるのです。この本では、その方法を数多く紹介しています。明日コースに出る人でも実践できることばかりで、ゴルフがより一層楽しくなるはずです。