アプローチが寄る、スウィングの4つの要素とは!?
アプローチショットを打つにあたっては、まずライや傾斜、風向きなどの「シチュエーション」の〝4要素〟を状況判断し、それをもとに打ち方(=セットアップ&スウィング)を決めます。
『ゴルフレッスンプラスvol.8』では構え方やグリップなどの「セットアップ」の方法ごとの要素を紹介しましたが、今号は「スウィング」における4要素です。
まずはボールを「運ぶ」ように打つのか、「叩く」ように打つのか。「運ぶ」ように打つためには等速でクラブをゆっくりと動かす必要がありますが、大半のアマチュアゴルファーはこの「等速スウィング」が苦手。
その理由は、腕と身体が連動していないから。速く振るぶんにはごまかせても、ゆっくり振ると腕がルーズになっているために色々なところに動いてしまってスウィングが安定しないのです。
腕と身体を連動させるためには、まず肩関節(上腕)を外旋させ、そのあとヒジ先(前腕)だけを内側に絞ります。すると脇がしっかりと締まり、腕と身体が繋がった状態になってゆっくり振っても腕が暴れることがありません。
スウィング軌道の違いによっても要素は変わってきます。
ボールに対してクラブヘッドがどのように入り、どう抜けて行くかということに影響されるわけですが、上から入ると鋭角軌道、低い位置から入れば鈍角軌道になり、内側(インサイド)から入ればイン・トゥ・イン軌道、ターゲットラインに沿うようにしてまっすぐ入ればストレート軌道になります。
「スウィング」の方法ごとの要素を紹介しましたが、要素というのはライや傾斜などの「シチュエーション」の影響を受け、構えや握り方などの「セットアップ」の方法によってもケースバイケースで変化するので、「こういうふうにスウィングすれば必ずそうなる」というものではありません。
あくまでも紹介した要素を指標にして、「自分の場合はこうなんだ」という答えを見つけることが大切です。
アプローチショットを打ち分けるためには、自分の〝限界〟を知っておくということがとても大切です。
例えば、ハンドファーストには「右に行く」要素があり、反対のハンドレイトには「左に行く」要素がありますが、自分がどれくらい極端にハンドファーストに構えてもまっすぐ打てるのか、ハンドレイトでもまっすぐ打てるのかを試して自分の「両極端」を知っておくと、「これだけの幅で自分はまっすぐ打てる」ということがわかります。
そのうえで自分なりの基準の手元位置を決めることで、様々な打ち分けが可能になってくるわけです。
これはセットアップやスウィングの他の方法にもいえることです。ぜひたくさんの自分の〝限界〟を試してみてください。
出典:『ゴルフレッスンプラスvol.9』
【レッスンプロ情報】
●伊澤秀憲
1991年生まれ。2歳からゴルフを始め、JGTOツアーなど多くの試合に出場。現在、初心者からプロまで指導に携わる。 You Tubeチャンネル「伊澤秀憲のGUTS TV」が好評。石川遼プロとは同年齢で、スウィングのよき相談役でもある。マスターズ4位の成績を残した伊澤利光プロは叔父にあたる。
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公開日:2022.01.11