小さな氷の粒が集まって巨大なリングができた
太陽系のなかで木星に次いで2番目の大きさをもつ惑星が土星です。地球の約9倍の直径、約755倍の体積がありますが、質量は約95倍しかありません。平均密度は太陽系のなかでもっとも小さい惑星です。水素を主成分とする厚い大気に覆われ、中心部には木星と同様、岩石と氷の微惑星によって形成された核(コア)があると考えられています。
また、土星は1日約10時間の周期で自転していて、この高速回転で生じた遠心力によって赤道半径が極半径より10パーセントも大きく膨らんでいます。土星の最大の特徴は巨大なリングです。天体望遠鏡で観察すると、リングは非常に美しい板状の円盤のように見えます。
しかし、さまざまな探査機による探査の結果、その実態は膨大な数の小さな氷のかたまりが円盤状に分布していることがわかってきました。土星のリングは直径30万キロメートルの広がりをもっていますが、厚さは平均10メートルほどと非常に薄いこともわかっています。では、このリングはどのようにしてできたのでしょうか?
主に、以下の2つの説が考えられています。1つは、土星が形成された際に、周囲に生じた円盤状のガスやちりを起源としているのではないかという説。もう1つが、小天体が土星の衛星にぶつかって粉砕された破片が赤道付近に集まり、形成されたのではないかという説です。現在では、後者の説が有力視されていますが、結論には至っていません。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
監修:渡部潤一
「地球はどうやってできたの? 宇宙のどこにあるの? 」「太陽が巨大化するってホント?」「月のクレーターや『月の海』って?」「 宇宙はどんな構造?いくつもあるの? 」など素朴なギモンに即答で宇宙のナゾに迫る! ——地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、61テーマと興味深い宇宙・星座コラムで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!
公開日:2024.05.06