自ら光を放射する恒星、光を発しない惑星
恒星は、見かけの相対的位置が「恒に変わらない星」ということで名づけられました。私たちが夜空を見上げて、そこに輝く星たちは太陽系惑星を除いて、すべて恒星です。もちろん、太陽も恒星の仲間ですが、天の川銀河のなかだけで、恒星は1000億個以上あると考えられています。以下のこの章では、特に断りがない限り、恒星を「星」と表すことにします。
恒星の周りを公転する天体のうち、中心で核融合を起こすほどは質量が大きくなく、自ら光や熱を放出しない天体が惑星です。太陽系の惑星は、地球も含めて太陽の光を反射して光って見えるのです。ほかにも恒星と惑星の中間に位置するような天体もあります。
恒星は銀河のなかのガスやちりが凝縮して、核融合を起こして生まれますが、太陽の0.08倍よりも小さい質量をもって生まれた天体の場合はそうではありません。たとえ核融合を開始したとしても、すぐに反応が止まるか、ごく低出力の放射しかできないのです。そのために表面が暗い赤色に見えることから、「褐色矮星」と呼ばれています。
また、明るさが変わる恒星もあります。「変光星」といい、有名なのがくじら座のミラです。明るいときは2等星でとてもはっきりと見えますが、暗いときは10等星になってしまい、肉眼では見えなくなってしまいます。ミラは、膨張と収縮を332日の周期でくり返すなかで明るさが変わることから、「脈動変光星」と呼ばれています。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
監修:渡部潤一
「地球はどうやってできたの? 宇宙のどこにあるの? 」「太陽が巨大化するってホント?」「月のクレーターや『月の海』って?」「 宇宙はどんな構造?いくつもあるの? 」など素朴なギモンに即答で宇宙のナゾに迫る! ——地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、61テーマと興味深い宇宙・星座コラムで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!
公開日:2024.05.17