円盤の端っこから断面図を見ている!
夜空に見える天の川。天の川は約2千億個もの星の集まりで、夏にはいて座とはくちょう座を結んだ線に沿って見えます。天の川を見たことがない、という人も少なくありませんが、実は天の川は夜空を見慣れた人でないとなかなか見つけられないかもしれません。?
それは天の川を地上から見ると、星の集まりという言葉から想像されるようには見えないからです。夜空に何かもやもやした雲のような、煙のような部分があるように見えるものがあったら、それが天の川です。太陽系は天の川銀河に属しています。つまり、私たちが見る天の川は、私たちがいる天の川銀河をその内側から眺めた姿です。でも、内側から見ているのに、なぜ長い帯のような形に見えるのでしょうか。
それは、天の川銀河の形状と、私たちの太陽系との位置関係、距離にあります。天の川銀河は、上から見ると渦巻状で、直径10万光年、厚さ1000光年の大きさがあります。地球のある太陽系は、円盤状の銀河の端、中心から約3万光年のところにあります。この位置に立っていると想定して、天の川銀河の中心方向を向くと、厚みのある帯のように天の川銀河の星々を見ることができます。一方、銀河の中心と反対側(円盤の端の方向)を向くと、中心方向よりもっと細く星も少ない帯が見えるはずです。
これが天の川銀河のなかにいるのに、天の川が帯のように見える理由です。地球の公転により季節によって見える方向が違うことで、季節によって天の川の見え方も変わってきます。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
監修:渡部潤一
「地球はどうやってできたの? 宇宙のどこにあるの? 」「太陽が巨大化するってホント?」「月のクレーターや『月の海』って?」「 宇宙はどんな構造?いくつもあるの? 」など素朴なギモンに即答で宇宙のナゾに迫る! ——地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、61テーマと興味深い宇宙・星座コラムで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!
公開日:2024.05.22