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サイコパスの心理を読み解く【サイコパスの話】

Text:名越康文

意外にも忠誠心や信仰心はある

サイコパスは態度や性格だけで判断することはできません。ただし、傾向として、初対面と、ある程度付き合ったあとでは、態度や性格が変わることが多いということは覚えておいてください。

また、サイコパスは緊張や不安とは無縁で、どんなときでも冷静で落ち着いています。普通なら危険と思えることも躊躇なく行うので、そこに惹(ひ)かれてしまう人も少なくないのですが、これもサイコパスの特徴のひとつと覚えておきましょう。

そして、意外に思うかもしれませんが、道徳心も持ち合わせています。アメリカの心理学者ジョナサン・ハイトの実験では、ハイトの定めた5つの道徳心のうち、「他人に危害を加えない」「フェアな関係を重視する」の2つに関して、サイコパスは軽視しているという結果が出ました。

ところが、「共同体への帰属心・忠誠心」「権威の尊重」「神聖さ清純さを大切に思う(信仰心)」の3つに関しては、意外にも重視するというのです。これを重視するのは、社会で生き延びるためには合理的だという判断からだと推測されます。

そのほか、自分の利害に敏感なことも覚えておきましょう。利害関係のない相手のことは無関心ですが、利害関係のある相手に対しては敵対心や嫉妬(しっと)心を抱きます。そのため、自分の所有物を奪った相手には、敵意をむき出しにして奪い返そうとします。また、意外なことに仲間だと思っている人間の利益が自分の利益につながるのであれば、自分が損をしても援助や支援を行うのです。

【書誌情報】
『あなたの近くの危険な人物 図解 サイコパスの話』
著:名越康文

サイコパスとは、犯罪を平然と犯す、平気でウソをつき人を欺き騙すなど「反社会的な人格」を持つ人を指す。感情に乏しく、「共感性」がない「冷徹」な人間で、人を支配したがり、目的のためには手段を選ばないーーそんな人間があなたのまわりにもきっといる!本書は心理学の面に焦点をあて、社会にまぎれ、職場、学校、サークルなどあらゆるコミュニティに、100人に1人の割合で存在すると言われるサイコパスを、よりわかりやすく図解する1冊。