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サイコパスは心の病気? それとも性格?~精神医学では「反社会性パーソナリティ障がい」~【サイコパスの話】

Text:名越康文

サイコパスの特徴について見てきましたが、サイコパスは果たして心の病気なのでしょうか、それとも極端な性格なのでしょうか?

そもそも、精神医学界にはサイコパスという診断名は存在せず、現在、世界的基準となっている『精神障がいの診断と統計マニュアル』における「反社会性パーソナリティ障がい」が、いわゆるサイコパスの診断基準になっています。

パーソナリティ障がいというのは、文化的な平均から逸脱した行動を取ってしまう障がいのことです。反社会性ということは、社会秩序に反するような行動を取るパーソナリティ障がいということですので、この観点からすれば、極端な性格というよりは心の病といえるでしょう。

それでは、なぜサイコパスは反社会的行動を取ってしまうのでしょうか? これもまた現在は研究段階で、明確な結論は出ていません。

しかし、近年の目覚ましい脳科学の進歩の結果、サイコパスは他者に対する共感性や痛みを認識する部分の働きが異なることがわかってきました。とはいえ、脳の働きが異なる理由が先天的なものか後天的なものかは、明確な結論は出ていません。

また、幼少期のトラウマや性的虐待などの生育環境が関係しているという研究結果もあります。

つまり、サイコパスは心の病気ではあるのですが、それが先天的なものか後天的なものか、はたまた両方が影響するのかは、現時点までのところでは不明な部分が多いのです。

【書誌情報】
『あなたの近くの危険な人物 図解 サイコパスの話』
著:名越康文

サイコパスとは、犯罪を平然と犯す、平気でウソをつき人を欺き騙すなど「反社会的な人格」を持つ人を指す。感情に乏しく、「共感性」がない「冷徹」な人間で、人を支配したがり、目的のためには手段を選ばないーーそんな人間があなたのまわりにもきっといる!本書は心理学の面に焦点をあて、社会にまぎれ、職場、学校、サークルなどあらゆるコミュニティに、100人に1人の割合で存在すると言われるサイコパスを、よりわかりやすく図解する1冊。

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