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肉眼で見える細胞ってあるの?【生物の話】

Text:廣澤瑞子

~細胞の大きさ~

細胞が初めて発見されたのは1665年のこと。ロバート・フックが自作の顕微鏡でコルクを観察しているときに見つけ、セルと命名しました。

19世紀になると顕微鏡はより高性能になり、細胞観察も進みました。生物が細胞で構成され、細胞増殖で成長することはこの頃明らかにされました。

20世紀になると電子顕微鏡の登場とともに細胞の観察・研究はいっそう進み、生物学や医学などの発展に大きく寄与することになります。

そうした経緯を振り返れば、細胞の研究は顕微鏡の発達によるところが大でした。ヒトの細胞を例にとれば平均的な大きさは15マイクロメートル〈※1〉ですから、肉眼では識別不能。顕微鏡なくして観察はできなかったのです。

細胞とは顕微鏡を使わないと観察できない小さなもの――これは事実ではありますが、一部当てはまらない細胞もあることは日頃あまり意識されていません。たとえば、皆さんが朝食に食べる鶏卵。その黄身はひとつの卵細胞です。ダチョウの卵の黄身ともなればさらに大きく直径7センチメートルにもなります。生物の卵細胞は鳥類に限らず、ほかの細胞に比べて大きく、肉眼で確認できるものも少なくありません。ヒトの卵子も例外ではなく、0.14ミリほどの大きさなので識別可能です。

また単細胞生物のなかにも肉眼で見える大きなものが存在します。海藻に属するオオバロニアは3センチメートルほど、深海に生息する原生動物クセノフィオフォラは大きいもので直径20センチメートルもの大きさになります。

※1: 1マイクロメートルは 0.01ミリメートル

いろいろな細胞の大きさ【生物の話】

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 生物の話』
監修:廣澤瑞子  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
横浜生まれ。東京大学農学部農芸化学科卒業。1996年、東京大学大学院農学生命科学研究科応用動物科学専攻博士課程修了。日本学術振興会特別研究員、米イリノイ大学シカゴ校およびドイツマックスプランク生物物理化学研究所の博士研究員を経て、現在は東京大学大学院農学生命科学研究科応用動物科学専攻細胞生化学研究室に助教として在籍。著書に『理科のおさらい 生物』(自由国民社)がある。


「人間は何歳まで生きられる?」「iPS細胞で薄毛を救う?」「三毛猫はなぜメスばかり?」「黒い花は世に存在しない?」ーー生命の誕生・進化から、動物、植物、ヒトの生態、最先端の医療・地球環境、未来まで、生物学でひもとく60のナゾとフシギ!知れば知るほど面白い!

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