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アップライトなスイングが曲がりが少ない理由とは!?【ゴルフは科学で上手くなる!/石井忍】

Text:石井忍

球筋を大きく左右するⅤプレーンの角度

ゴルフはボールをできるだけ真っすぐ打つのがいいか、それとも曲げることを考えるのがいいか。これは議論が分かれるところですが、ゴルファー個々の「ゴルフ観」によると思います。

ボールを曲げたいタイプはアドレスの両手の位置が低めで、ハンドダウンに構えます。そして、ボールをなるべく真っすぐ打ちたいタイプは両手の位置が高めのハンドアップの構えをつくる傾向が多く見られます。

これには理由があって、Vプレーンの角度を小さくフラットにスイングするのと、Vプレーンの角度を起こしてアップライトにスイングするのとでは球筋に大きな変化があるのです。

アップライトなスイングといえば米ツアーで活躍するブライソン・デシャンボーを真っ先に思い出します。デシャンボーはアイアンの全番手を37 ・5インチ(6番アイアン相当)の長さに統一している変わり種で知られています。彼もまた極端なくらいアップライトに構えて、アップライトにスイングします。

「ゴルフの科学者」を自称するだけあって科学を優先してプレーし、科学の力で勝つというのは、アップライト型スイングのメリットを世に知らしめてくれたといって過言ではないと思います。

再現性の高いスイングを求めることも大事

だからといって、ハンドダウン気味に構えてフラット型のスイングでクラブを振るのが悪いわけではありません。アップライト型のスイングと比べればプレーンがフラットで、スイングプレーンに対するクラブパスの影響度が大きくなり、そのぶんボールが曲がりやすくなりますが、曲げたいタイプの人たちはその感覚が体でわかっているのです。

アップライトに振ってボールを曲げにくくするか、フラットに振ってボールを曲げやすくするか。それはゴルファー個々の感覚であり、好みです。そして、もう一つ忘れてはならないのは、自分にとって再現性や反復性の高いスイング
を優先したほうがいいということです。


ハンドアップに構え、Ⅴプレーンの角度が大きめのスイングで振れば曲がり幅が小さくなる。


ハンドダウンに構え、Ⅴプレーンの角度がフラットなスイングで振ると、ボールを曲げやすい。

【書誌情報】
『ゴルフは科学で上手くなる! 科学が明かすスイングの原則と上達法』
著者:/石井忍

時代の流れとともにクラブやボールなどの道具が進化してきたが、それに合わせるようにゴルフスイングの研究や分析も進んできた。本書の著者は、スイングをメカニズムの視点で考える「物理的運動」として理解し、それに「スポーツ的運動」の要素を加えることが大事と考えている。スイングを物理的視点から考えると多くの発見があり、スイングの本質に近づいてく。この本はスイングを型にはめて解説するだけのレッスン書ではなく、スイングを科学的に学びたい人に向けた教科書である。その上で正しい体のアクションを覚えれば、上達のキッカケづくりに必ず役立つ格好の一冊といえる。