「逆球」が出る理由を考える
フェードを打とうとしたのにドローになってしまった。ドローを打つつもりが右にすっぽ抜けてプッシュが出てしまった。自分が意図した球筋と逆側に曲がってしまう「逆球」(ぎゃくだま)をプロたちは一番嫌います。
なぜ、こうした逆球が出てしまうかというと、アタックアングルも関連していますが、シンプルにいえば、クラブパスとフェースアングルの関連性が崩れるために起こるのです。
もう一度、「FTP」についておさらいしましょう。クラブパスに対するフェース面の向きです。
クラブパスが右を向いてフェース面も同じ方向、またはそれよりも右を向くと、ボールは右にしか飛びません。クラブパスの向きが左でフェース面もクラブパスと同じ方向か、それよりも左を向いていたらボールは左にしかいきません。
要はクラブパスとフェースアングルを逆向きにしないといけないのです。
イメージした曲がり幅にもよりますが、クラブパスを右に向けて、フェースアングルをクラブパスよりも少し左に向ければ、やや右に出て左に緩やかに曲がるドローが打てます。逆も然りです。
つまり、クラブパスとフェースアングルの向きを逆にすれば逆球が出なくなるわけです。
フェースの向きというとターゲットに対して正しく向けて構えることがとても大切と思われがちですが、それよりもクラブパスに対するフェースの向きのほうがより重要です。
【書誌情報】
『ゴルフは科学で上手くなる! 科学が明かすスイングの原則と上達法』
著者:/石井忍
時代の流れとともにクラブやボールなどの道具が進化してきたが、それに合わせるようにゴルフスイングの研究や分析も進んできた。本書の著者は、スイングをメカニズムの視点で考える「物理的運動」として理解し、それに「スポーツ的運動」の要素を加えることが大事と考えている。スイングを物理的視点から考えると多くの発見があり、スイングの本質に近づいてく。この本はスイングを型にはめて解説するだけのレッスン書ではなく、スイングを科学的に学びたい人に向けた教科書である。その上で正しい体のアクションを覚えれば、上達のキッカケづくりに必ず役立つ格好の一冊といえる。
公開日:2021.03.11