クラブのアタックアングルの理想値
スイング軌道の最下点でボールをとらえた場合のアタックアングルは、ほぼゼロとなります。理想的なアイアンショットではスイング軌道の最下点の手前でボールをとらえるので、アタックアングルはマイナスとなります。
ドライバーショットの場合はクラブヘッドが最下点を通過した直後の上昇軌道でボールをとらえますから、アタックアングルはプラスです。
ダウンブローかアッパーブローかによって、アタックアングルがマイナスかプラスかに分かれるのです。
では、それぞれのクラブのアタックアングルの理想値はどれくらいかといいますと、ドライバーでプラス2~3度くらいが平均値といっていいでしょう。アイアンではマイナス3度前後といったところです。
上手な人のデータを参考にすることも大切
下のデータは私の名前が入っていますが、ハンディキャップ3のあるシングルゴルファーのドライバーと7番アイアンのショットの数値です。もちろん上級者であっても、数値がそれ以上の人もそれ以下の人もいますので、あくまで目安です。
ドライバーのアタックアングルはプラス2.7度で、クラブパスは1.9度左です。フェース・トゥ・パス(FTP)は1.2度右ですから球筋は軽いフェードということになります。
ちなみにクラブスピードは41・4メートル/秒で、キャリーは217.2ヤード。ボールのスピン量は2589回転と出ました。かなり安定した数値といえます。
一方、7番アイアンの場合はアタックアングルがマイナス4・1度で、クラブパスは0.7度左です。フェース・トゥ・パスは0.2度右で、ほぼストレートに近い弾道といっていいでしょう。クラブスピードは33.1メートル/秒、キャリー140・8ヤード、スピン量5934回転と出ました。
こうした数値は大いに参考になると思います。
【書誌情報】
『ゴルフは科学で上手くなる! 科学が明かすスイングの原則と上達法』
著者:/石井忍
時代の流れとともにクラブやボールなどの道具が進化してきたが、それに合わせるようにゴルフスイングの研究や分析も進んできた。本書の著者は、スイングをメカニズムの視点で考える「物理的運動」として理解し、それに「スポーツ的運動」の要素を加えることが大事と考えている。スイングを物理的視点から考えると多くの発見があり、スイングの本質に近づいてく。この本はスイングを型にはめて解説するだけのレッスン書ではなく、スイングを科学的に学びたい人に向けた教科書である。その上で正しい体のアクションを覚えれば、上達のキッカケづくりに必ず役立つ格好の一冊といえる。
公開日:2021.03.13