油は複数の脂肪酸で構成されている
油の特徴に関わる重要な「オメガ○系」ですが、これはあくまでも油の成分の脂肪酸であり、油そのものではありません。
世の中にある脂質はどれも複数の脂肪酸によって構成されており、「オメガ3系が○%、オメガ6系が○%」といった具合にその構成割合が異なるのです。そして、とくにオメガ3系を多く含むものを「オメガ3系の油」、オメガ6系を多く含むものを「オメガ6系の油」と呼んでいるわけです。
たとえばオメガ9系の油として代表的なオリーブオイルは、成分の大部分がオメガ9系であるものの、飽和脂肪酸とオメガ6系も少し含んでいます。
また、常温で固体の牛脂は飽和脂肪酸が半分近くを占めますが、残り半分は不飽和脂肪酸のオメガ9系とオメガ6系です。
こうして見ると、オメガ3系がいかに希少かがよくわかると思います。オメガ3系をまったく含まない脂質も多いなか、オメガ3系を主成分とするえごま油は異質な存在ともいえるでしょう。
魚油はオメガ3系の割合はそこまで多くないものの、オメガ3系のなかでもとくに重宝されるEPAやDHAを豊富に含んでいるので、数字以上に貴重な存在です。以上のように、脂質は複数の「オメガ○系」でできていることを覚えておいてください。
各脂質に含まれる脂肪酸の割合
オリーブオイル
オメガ6系(7.0%)、飽和脂肪酸(14.1%)、オメガ9系(78.3%)
大豆油
オメガ3系(6.6%)、飽和脂肪酸(16.0%)、オメガ6系(53.5%)、オメガ9系(23.8%)
牛脂
オメガ6系(3.8%)、飽和脂肪酸(45.8%)、オメガ9系(50.2%)
バター (有塩)
オメガ6系(2.6%)、オメガ9系(25.5%)、飽和脂肪酸(71.5%)
ごま油
オメガ6系(43.6%)、飽和脂肪酸(16.0%)、オメガ9系(40.1%)
えごま油
オメガ3系(61.3%)、飽和脂肪酸(8.0%)、オメガ9系(17.8%)、オメガ6系(12.9%)
魚油 (塩さば)
オメガ3系(25.3%)、オメガ6系(3.3%)、飽和脂肪酸(26.5%)、オメガ9系(43.8%)
※数値は文科省「脂肪酸組成表」より。
四捨五入をしているため合計が100%にならない場合があります。
脂質はいずれも複数の脂肪酸で構成されている。 なので 「オメガ○系の油」 といっても、他の脂肪酸もある程度は含んでいる。 あくまでもそれが主成分ということだ。全体的にオメガ3系を含む脂質は少なく、オメガ3系が豊富なえごま油や魚油は貴重な存在といえる。
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気になる中身を少しだけご紹介!油料理を食べると「胃もたれ」するのはなぜ?
胃もたれの原因は油だけじゃない!?
10代、20代の頃はいくら脂っこいものを食べても全然平気だったのに、30代を過ぎたあたりから食後のひどい胃もたれや胸焼けで悩まされるように・・・・・・。これではせっかくの楽しい食事も思い出も台無しですよね。なかには油の摂取量に気を付けているにも関わらず、頻繁に胃もたれを起こしてしまう人もいるようです。この原因は何なのでしょうか?胃もたれや胸焼けの原因はズバリ「消化不良」です。本来、食事で食べすぎたものは胃で溶かされ、小腸に送られて消化、吸収されますが、これがうまく機能せず、食べ物が胃に留まり続けると胃もたれが起きるのです。
では、これを避けるにはどうするか。まずは食べ過ぎ、飲み過ぎに注意することです。どんな食事でも満腹になるまで食べたら、胃腸の処理が追いつかなくなるのは当たり前。とくにビュッフェ形式の食事や酒の席ではついつい胃袋の限界まで食べてしまいがちなので、いつもよりゆっくり食べることを意識して、「だいぶお腹が膨れてきたな」と感じたら、そこで箸を置くようにしましょう。この他、加齢や妊娠、ストレスなども消化機能低下の原因といわれています。食事の際に一緒のタンパク質を摂る、なるべく脂質量を減らすなど、胃腸が働きやすい環境を作ることでも胃もたれの予防、軽減が可能です。
★油と脂は何が違うの?
★油をまったく摂らない食生活を続けるとどうなるのか
★揚げ油の使い回しはからだに毒だった!?
★肉の脂身にはメリットがない?
などなど気になるタイトルが目白押し!
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『眠れなくなるほど面白い 図解 脂質の話』
監修:守口徹
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守口 徹
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公開日:2023.07.11