運動効果をフォローする生活の工夫も
エキセントリック運動は、どれくらいの頻度で行えばいいのでしょうか。理想的には毎日行っていただきたいのですが、さまざまな事情もあるかと思います。そこで最低でも週に3日は、エキセントリック運動の時間を生活に採り入れてください。慣れないうちは運動回数やペースがつかめず、筋肉痛や疲労感、「きつい」と感じることがあるかもしれません。そのようなときは運動を一時止めて休息してください。
運動を毎日の習慣にすると、筋肉を構成している筋線維という組織が、より多く運動に参加するようになります。そうなれば筋肉量や筋力のアップが、スムーズになります。さらに、日常生活の中でほんの少し意識するだけで、運動効果を高める手助けとなるものもあります。
例えば食事では、筋肉の材料となるタンパク質の摂取が有効になります。魚や肉、大豆製品など、タンパク質を多く含む主菜を積極的に摂るよう心がけたいものです。 また、炭水化物が不足すると、筋肉が分解され使われてしまいます。せっかくエキセントリック運動をしても、これでは意味がありません。ごはんやパンといった主食も、しっかり摂るようにしましょう。
大切なのは回数や頻度よりも、運動を継続することです。エキセントリック運動を続けていくうちに、それが生活の一部となれば、まさに理想的です。例えば、椅子に座るときはいつもゆっくり座ることにしてみてはいかがでしょうか?1日に10回椅子に座る機会があるとすれば、大腿の前の筋群は10回のエキセントリック筋活動を行なうことになります。
【書誌情報】
『ゆ〜っくり座れば、一生歩ける!』
著:野坂和則
一生歩ける足腰はゆ〜っくり座ることで鍛えられる!「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」である健康寿命は、男性は約72歳、女性は約74歳です。誰でも歳をとるにしたがって身体機能は衰えていきますが、その衰え方には大きな個人差が。その個人差の要素のひとつが「運動」です 。運動をしている人とそうでない人では、健康寿命に大きな差が出てきます。運動といってもいろいろありますが、健康寿命を高めるには脚の筋力を維持し、向上させる筋力トレーニングが必須です。しかし、そうは言っても普通の筋トレはつらそうだし、なかなか重い腰が上がらない……という方にこそ実践して頂きたいのが本書で紹介している「エキセントリック運動」です。ゆ~っくりイスに座る時、大腿の前側の筋肉は伸ばされていきます。これが典型的なエキセントリック運動です。本書では、自宅でできるエキセントリック運動を紹介しており、どうしてエキセントリック運動が一生歩けるような足腰をつくるのに適しているのか解説しています。試しに、ゆ~っくりイスに座ってみて下さい。それだけでもかなり脚に効いていることがわかるはず。つらくないのに効果は絶大――。エキセントリック運動をすれば、10年分の筋力低下を、たった2ヵ月で元に戻すことも可能です。転ばぬ先の杖、一生歩ける体でいられるように、今日から準備を始めましょう。高齢者の方はもちろん、家族全員でぜひ読んで頂きたい一冊です。
公開日:2020.02.17
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