SPORTS LAB
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疲れ知らずの一生歩ける体を作るには!?

Text:野坂和則

筋力につれて体力もアップする

エキセントリック運動によって筋力が上がれば、それに伴って体力も向上します。若い頃は大股でスピーディーに歩けたのに、だんだんと歩くスピードが遅くなり、しかもすぐに疲れてしまう。こんなときに「年をとったな」と感じたことはありませんか。これは筋力の衰えが主な原因です。

60歳以上の男女を対象にして行われた実験があります。ひとつのグループには「椅子にゆっくり座る」などのエキセントリック動作を強調するトレーニングを、もう一方のグループには「椅子から立ち上がる」などのコンセントリック動作を強調するトレーニングを、それぞれ8週間にわたり行ってもらいました。

トレーニングの後には「その場足踏みテスト」や「椅子から立ち上がるテスト」、「最大筋力テスト」などをしてもらいましたが、すべてのテストでエキセントリックのグループのほうが、成績の伸びが大きかった、という結果が出ています。

これは筋力がアップすることで、体力や運動能力も伸びていくことを示しています。そしてそれにはコンセントリックよりも、エキセントリックな動きのほうが有効であることもわかります。体力がつくということは、疲れにくい体になることです。

例えばそれまで20kgだった筋力が30kgになれば、今まできつく感じていた20kgの筋力を必要とする運動が、今後は楽にこなせるようになります。当然ですが、余力がある分、 疲れの感じ方もまるで違います。体力に余裕があれば、心のゆとりも生まれてきます。行動範囲も広がり、活動的になるでしょう。

そうなればますます筋力や体力が高まるという、健康の好循環ができていきます。そして生き生きとした、疲れ知らずの毎日が過ごせるのです。

【書誌情報】
『ゆ〜っくり座れば、一生歩ける!』
著:野坂和則

一生歩ける足腰はゆ〜っくり座ることで鍛えられる!「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」である健康寿命は、男性は約72歳、女性は約74歳です。誰でも歳をとるにしたがって身体機能は衰えていきますが、その衰え方には大きな個人差が。その個人差の要素のひとつが「運動」です 。運動をしている人とそうでない人では、健康寿命に大きな差が出てきます。運動といってもいろいろありますが、健康寿命を高めるには脚の筋力を維持し、向上させる筋力トレーニングが必須です。しかし、そうは言っても普通の筋トレはつらそうだし、なかなか重い腰が上がらない……という方にこそ実践して頂きたいのが本書で紹介している「エキセントリック運動」です。ゆ~っくりイスに座る時、大腿の前側の筋肉は伸ばされていきます。これが典型的なエキセントリック運動です。本書では、自宅でできるエキセントリック運動を紹介しており、どうしてエキセントリック運動が一生歩けるような足腰をつくるのに適しているのか解説しています。試しに、ゆ~っくりイスに座ってみて下さい。それだけでもかなり脚に効いていることがわかるはず。つらくないのに効果は絶大――。エキセントリック運動をすれば、10年分の筋力低下を、たった2ヵ月で元に戻すことも可能です。転ばぬ先の杖、一生歩ける体でいられるように、今日から準備を始めましょう。高齢者の方はもちろん、家族全員でぜひ読んで頂きたい一冊です。