「性格のせい」ではなく「状況のせい」と考える
人間には他人の行動の原因を「状況のせい」ではなく「性格のせい」にする傾向があります。みなさんも人が遅刻をしたり、約束を守らなかったりすると「だらしがない」とか「不誠実な人だ」などと思い、相手の性格のせいにしてイライラしたことはないでしょうか。そうせざるを得ない理由が相手にあったとしても、実際はなかなかそちらへと思考が至らないのです。
このような人間の心理は、多くの心理学者によって行われた実験でも実証されています。そして、こうした思考は家族や夫婦、恋人など、つき合いの深い間柄では特に顕著になります。例えばパートナーがこちらの頼んだ用事を忘れると「いつもボーッとしているからだ」など、性格のせいにして苛立ちます。
これは近しい関係ゆえに感情的になり、無意識のストレスをぶつけてしまうからです。人の行動にイライラしたときは、相手の置かれた環境を思い描いてみましょう。例えば、1日の生活パターンや役割などを冷静に確認します。
もしくは「自分が同じ状況ならどうなるか」、相手の立場になってイメージするのです。そうすると、必ずしも性格が原因ではなく、状況に応じて行動した結果ということがわかるはずです。「これなら仕方ない」、そう納得できれば心も軽くなり、むやみにイライラすることも少なくなるはずです。
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気になる中身を少しだけご紹介!ネガティブでもいい!危機回避能力でうまく生きる
自分の後ろ向きな言動に対して「どうして自分はこうネガティブなんだろう・・・・・・」と、思い悩んでいる人は意外と多いのではないでしょうか。しかし、もともと人間はネガティブな思考をする生き物なのです。太古の昔、人が狩猟生活を営んでいた時代は、過酷な自然環境や獣との戦いなど、常に生命の危険に脅かされていました。そんな状況下では、いつも最悪を想定できる人が高い危機回避能力を持ち、生きのびる確率も高かったのです。つまり、心配性で臆病な人ほど強靭であり、生存能力にすぐれていたといえます。
こうした優位性が何万年も前から、DNAとして私たちに受け継がれているのです。ですから「人はネガティブで当然」「無理にポジティブなフリをしなくてもいい」と自信を持ってください。とはいえ、ネガティブな思いに支配されるのはつらいものです。うまく抜け出す方法も覚えておきましょう。
ポイントは浮かんでくるネガティブなイメージを、無理に振り払おうとしないこと。強く打ち消そうとするほど、かえってとらわれてしまいます。むしろ嫌な記憶や忘れたい場面を思い返し、心に浮かんだネガティブなイメージを縮小してみるのです。するとネガティブな思いが心に占める割合も小さくなり、その分、気持ちがラクになるでしょう。気が滅入る想像や妄想が頭から離れないとき、ぜひ試してみてください。
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などなど気になるタイトルが目白押し!
ストレスはためこんでしまうと心にも体にも不調をもたらします。ストレスがもとで引き起こしてしまう病気としてうつ病や不眠症、過敏性腸症候群などがありますが、特別な疾患がなかったり、目に見える異常が認められない場合もあり、誰にも言えずに一人で抱え込んでしまう人もいます。本書は、こうしたさまざまな悩みの原因となるストレスをためこまない解消法を解説するので、参考にしていただければ幸いです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 ストレスの話』
ゆうき ゆう 監
諸悪の根源であるストレスの解消法を医師が解説。そもそも自律神経が乱れるまでストレスをため込まない男女別の考え方と、たまってしまったらすぐに自宅で解消できる方法を、メンタルマネジメントや栄養、運動など実用的な内容で紹介しています。
公開日:2024.01.02