加齢やストレスが睡眠の質を下げる
疲れているのになかなか寝つけない、夜中や明
け方に目が覚めてしまう……。これら眠りの悩み
は「不眠」や「睡眠障害」と呼ばれています。
私たちは眠っている間、「レム睡眠」と「ノンレ
ム睡眠」という2種類の睡眠を周期的に繰り返し
ています。脳は起きていて身体が眠っている状態
がレム睡眠、脳が深く眠っている状態がノンレム
睡眠です。ノンレム睡眠の深さは1段階から4段
階まであり、加齢によって2~3段階で止まるよ
うになるのが一般的。歳をとると眠りが浅くなる
のはこのためです。また、若い人でもストレスや
心配ごとがあるとノンレム睡眠が深まらず、不眠
の症状が表れます。
睡眠障害が慢性化すると、集中力や判断力が低
下するばかりでなく、免疫機能が下がることで病
気や感染症にかかりやすくなります。さらに食欲
を抑制するレプチンというホルモンの分泌が抑え
られ、肥満につながることもわかっています。
こうしたデメリットだらけの睡眠障害を克服す
るには睡眠環境の改善が不可欠。寝室では明かり
を消し、スマホやテレビを見ないようにしましょ
う。心療内科では不眠のタイプに合わせて薬も処
方してもらえます。何よりストレス軽減のために
大切なのは、眠れなくてもあまり気にしすぎない
こと。静かに横になり目を閉じているだけでも、
脳を休息させることは可能なのです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 ストレスの話』
著:ゆうき ゆう
「ストレス社会」といわれている現在、
科学や技術の発達で快適になっていく日々の生活とはうらはらに、
ストレスからくる心身の不調に多くの人が悩まされています。
ストレスの原因は仕事や学校、家庭、SNSなど人によってさまざま。
特に最近では、新型コロナウイルスの影響で
これまでの生活様式が大きく変化し、何かと行動も制限されました。
それにより、たまったストレスをうまく発散できずに常にイライラしたり、
不安感がいつまでたってもぬぐえずあまり眠れなくなったり…
また、ストレスは自律神経を乱す原因になるため、
放置すると免疫力も下がり、体の不調を招くことになります。
近年20~30代に多く見られる「過敏性腸症候群」はそのひとつで、
病院に行って検査をしても異常がみつからないのに、
日々便秘や下痢などの腹痛に悩まされる病気です。
早いうちに対処しなければ、
毎日腹痛におびえながら生活しなければならないという
新たなストレスが加わって悪循環に。
本書では、そんな諸悪の根源であるストレスの解消法を医師が解説。
そもそも自律神経が乱れるまでストレスをため込まない男女別の考え方と、
たまってしまったらすぐに自宅で解消できる方法を、
メンタルマネジメントや栄養、運動など実用的な内容で紹介しています。
公開日:2021.08.11