承認欲求を暴走させるSNSの罠
SNSの広がりとともに「承認欲求」という言
葉がよく聞かれるようになりました。承認欲求と
は「誰かに認められたい」「自分は特別でありたい」
と願う欲求のこと。
アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提
唱する「欲求5段階説」によると、人間には次の
5段階の欲求があるといわれます。1段階目が食
欲や睡眠欲といった最も基本的な「生理的欲求」、
2段階目が自分の身や生活の安全を確保したい
「安全欲求」、3段階目は自分が属する集団に受け
入れてもらいたい「親和欲求」、4段階目が他の
人から特別だと認められたい、尊敬されたい「認
知欲求」、そしてこれらの欲求を満たした後に生
まれる5段階目が自分の夢や希望を叶えたい「自
己実現欲求」です。承認欲求はこのうち3段階目
の「親和欲求」と4段階目の「認知欲求」を合わせ
たもので、誰にでも備わる基本的な欲求です。
自分の意見やライフスタイルを気軽に発信し、
フォロワーから「いいね」をもらうことのできる
SNSは、承認欲求を満たすにはうってつけのツ
ール。しかし、つき合い方を一歩間違えると、承
認欲求を制御できなくなってしまうおそれがあり
ます。自分の投稿に繰り返し「いいね」をもらうう
ちに満足感が薄れ、さらに多くの承認を求めるよ
うになるのです。こうしたことがストレスとなり、
「SNS疲れ」へとつながっていくのです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 ストレスの話』
著:ゆうき ゆう
「ストレス社会」といわれている現在、
科学や技術の発達で快適になっていく日々の生活とはうらはらに、
ストレスからくる心身の不調に多くの人が悩まされています。
ストレスの原因は仕事や学校、家庭、SNSなど人によってさまざま。
特に最近では、新型コロナウイルスの影響で
これまでの生活様式が大きく変化し、何かと行動も制限されました。
それにより、たまったストレスをうまく発散できずに常にイライラしたり、
不安感がいつまでたってもぬぐえずあまり眠れなくなったり…
また、ストレスは自律神経を乱す原因になるため、
放置すると免疫力も下がり、体の不調を招くことになります。
近年20~30代に多く見られる「過敏性腸症候群」はそのひとつで、
病院に行って検査をしても異常がみつからないのに、
日々便秘や下痢などの腹痛に悩まされる病気です。
早いうちに対処しなければ、
毎日腹痛におびえながら生活しなければならないという
新たなストレスが加わって悪循環に。
本書では、そんな諸悪の根源であるストレスの解消法を医師が解説。
そもそも自律神経が乱れるまでストレスをため込まない男女別の考え方と、
たまってしまったらすぐに自宅で解消できる方法を、
メンタルマネジメントや栄養、運動など実用的な内容で紹介しています。
公開日:2021.08.21