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他人事じゃない!自分が残忍になってしまう状況とは?【社会心理学】

Text:亀田達也

役割を与えられると人は残忍になる?

与えられた役割や状況によって、人の行動はどのように変化するのか。このことを検証したのが模擬刑務所実験(スタンフォード監獄実験)です。

この実験は、スタンフォード大学の地下に、本物に似せた模擬刑務所をつくって行われました。

参加者したのは、心身ともに健康で、これまで反社会的行為をとったことのない21名の男子学生。参加者たちはランダムに看守役と、囚人役にふりわけられ、模擬監獄の中で2週間に渡ってそれぞれの役を演じます。看守役は1日8時間の3交代制、囚人役は24時間の参加です。リアリティを出すため、看守役はサングラスと制服を着用し、警笛と木製の警棒も支給されます。一方の囚人役は名前でなくID番号で呼ばれ、足に鉄製の鎖をはめられて監獄に収容されました。

こうして始まった模擬監獄実験でしたが、その影響は実験者の予想以上でした。

時間とともに看守役は囚人役に対して命令的、侮蔑的、支配的な言動をとるようになり、囚人役への精神的な虐待が蔓延。ついには禁止されていた暴力行為も発生したことから、わずか6日で実験は中止となりました。

この実験は、他人を服従させることのできる役割を与えると、人はその役割に染まり、残忍な振る舞いも平気で行うようになる事例とされています。ただ、その一方で「看守役は自然と残忍になったわけではなく、実験者によって残忍に振る舞うよう誘導があった」とする批判もあり、その実験の信憑性を疑問視する声もあります。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

「社会心理学」は、心理学の中でも重要かつ人気のジャンル。個人同士の協力、競争、攻撃、援助など「他者との関係」、そして集団、組織など個人を取り巻く「社会との関係」をテーマとする「社会心理学」を、わかりやすく、かつ堅苦しくならないように図解・イラストを用いて紹介する。「社会現象と心理学」、「職場における心理学」「社会の在り方と心理学」など、現代日本において興味深く読めるような身近なテーマを立てて、さらにこれまで行われた心理実験と結果など、「心理学」全般の内容を誌面に取り入れて解説する。会社、学校、家庭、友人ーー集団や社会の中の個や対人関係の本質、行動原理を社会心理学から読み解く1冊!