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部下の生産性を高めるには叱るべき?褒めるべき?【社会心理学】

Text:亀田達也

他人からの評価が行動に影響する

わたしたちはさまざまな場面で他者から何らかの評価を受けています。その代表的な例が、肯定と否定です。自分が持つ意見(考え)に対して「そう思う」または「そう思わない」という評価を受けることで、自分の態度に変化が生じます。

肯定された場合は、自分の意見に確信を持ち、以降もその意見を持ち続ける傾向が強くなります。否定された場合は、自分の意見に自信がなくなり、以降は別の意見を持つ傾向が強くなります。こういった態度の変化を「オペラント条件付け」と言うのです。

オペラント条件付けは、肯定や否定だけではなく、褒ほめられるなどの報酬を得た場合や、叱られるなどの罰を与えられた場合にも発生します。

例えば、上司に仕事を褒められると、態度は変わらず、そのことに対してより積極的になります。その人のやる気を引き出してさらなる生産性の向上が見込めます。逆に仕事に失敗して上司から叱られるなどの罰を与えられると、態度を改めるようになります。

すると人は「叱られないためにはどうすればいいのか」を考え、失敗しない方法や新たな考えを模索するようになります。その瞬間だけで考えたら叱ることで仕事の生産性は減少するかもしれませんが、ゆくゆくは、生産性の向上に繋がる可能性もあるのです。

周囲の人々の「やる気を引き出したい」または「間違った軌道を修正したい」という場合は、オペラント条件付けによって起こる態度の変化も考慮しながら「飴(報酬)と鞭(罰)」を与えましょう。それによって、その人の生産性を高められるかもしれません。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

「社会心理学」は、心理学の中でも重要かつ人気のジャンル。個人同士の協力、競争、攻撃、援助など「他者との関係」、そして集団、組織など個人を取り巻く「社会との関係」をテーマとする「社会心理学」を、わかりやすく、かつ堅苦しくならないように図解・イラストを用いて紹介する。「社会現象と心理学」、「職場における心理学」「社会の在り方と心理学」など、現代日本において興味深く読めるような身近なテーマを立てて、さらにこれまで行われた心理実験と結果など、「心理学」全般の内容を誌面に取り入れて解説する。会社、学校、家庭、友人ーー集団や社会の中の個や対人関係の本質、行動原理を社会心理学から読み解く1冊!

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