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困っている人に対してすぐに行動できる人はどんな人なのか?【社会心理学】

Text:亀田達也

援助行動には5つのステップがある

傍観者実験を行ったラタネとダーリーは、人が緊急事態で援助行動をとるまでの過程には5つのステップ(援助行動モデル)があると考えました。

1:事態に気づいたか

2:緊急事態だと認識したか

3:援助を行うことへの個人的責任を感じたか

4:援助を行うためになにをすべきか理解しているか

5:実際に行動を起こすか

実際に行動を起こすかまず1と2はそもそも事態に気づかない、あるいは気づいてもそれが緊急事態だと認識しなければ人は援助行動をとりません。2については、他の人が行動しないことで自分も緊急事態と認識しないということがあります。これは多元的無知といいます。

3の個人的責任とは「自分が援助しなければならない」と認識したかどうかで、周囲に他の人がいると「自分が助けなくても他の誰かが助けるだろう」という心理が働き、援助行動が抑制されます。

4は適切な援助の方法を理解しているかどうかで、たとえ援助の必要があると認識しても、そのための具体的な方法がわからないと行動を起こしにくくなります。

また、「海でおぼれている人を発見したが、自分はカナヅチで泳げない」といったように援助に必要な能力を持ち合わせていなかったり、そのためのリスクが大きい場合(自分も一緒におぼれてしまう可能性など)も抑制の要因となります。5は最終的に援助に踏み切るかどうかで、「自分の勘違いだったら恥ずかしい」といった心理が働くことで行動を起こしにくくします。

人が援助するまでの流れ【図解 社会心理学】

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多数派の意見に同調してしまうのはどうして?

日本人はよく多数派に同調しやすい、そんなイメージがあるかもしれません。しかし、この傾向はどんな人にも当て余る普遍性を持ったものなのです。なぜ私たちは多数派の意見に同調しやすいのでしょうか?この同調について、有名な実験があります。

この実験はカード①に描かれた線と同じ長さのものを、カード②に描かれた3本の線の中から選ぶというもので、実験には8人の学生が参加しました。回答はひとりずつ順番に行いますが、実は参加者のうち7人は〝サクラ〞で、あらかじめどの線を答えるかを指定されていました。

明らかに間違った答えでも多数派に同調してしまう

この実験の目的は、多数が間違った回答をした場合、被験者はそれに同調するかを調べることで、被験者は7人のサクラの回答を聞いたあと、8番目に回答します。実験は線の長さを変えながら複数回行われましたが、問題自体はいずれもひとりで回答したときは正解率99%というごく簡単なものでした

ところが、7人全員が誤った回答をした条件下だと、被験者による誤答率は32%にも上りました。普通なら間違えようのない問題でも、全員が別の回答を選ぶと、それに大きく影響されてしまうことが明らかとなったわけです。なお、7人のサクラのうち、必ず正解を答える他者がひとりいた場合、被験者の誤答率は5・5%まで低下しました。

会社の会議などでも全員一致の意見に反対するのは勇気がいりますが、ひとりでも反対者がいれば意見を表明しやすくなります。同調を促うながすには全員一致であることが重要で、ひとりでも自分と同じ意見の人がいると、その圧力は大きく弱まるというわけです。

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

「社会心理学」は、心理学の中でも重要かつ人気のジャンル。個人同士の協力、競争、攻撃、援助など「他者との関係」、そして集団、組織など個人を取り巻く「社会との関係」をテーマとする「社会心理学」を、わかりやすく、かつ堅苦しくならないように図解・イラストを用いて紹介する。「社会現象と心理学」、「職場における心理学」「社会の在り方と心理学」など、現代日本において興味深く読めるような身近なテーマを立てて、さらにこれまで行われた心理実験と結果など、「心理学」全般の内容を誌面に取り入れて解説する。会社、学校、家庭、友人ーー集団や社会の中の個や対人関係の本質、行動原理を社会心理学から読み解く1冊!