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『クルアーン』の底流にある最大のものは?【世界の宗教】

Text:星川啓慈

善悪を判断する最高の基準が示されている

イスラム教の啓典『クルアーン』は、唯一絶対の神アッラーが、預言者ムハンマドに啓示した言葉を記したものです。ムハンマドが最初の啓示を受けた610年ごろから、632年に没するまでの23年間にわたる啓示のみを書き記してあり、ムハンマドの創作はいっさいありません。

「クルアーン」とは、アラビア語で「読むべきもの」「読誦(どくじゅ)されるべきもの」といった意味です。

『クルアーン』は114章からなり、各章に神の啓示が断片的に収録される形になっています。したがって、全体にストーリー性があるのではなく、基本的には長い章から順に並んでいます。『クルアーン』の底流にある最大のものは、アッラーへの絶対的な帰き依えです。

その内容は、天地創造、終末、審判、天国と地獄、預言者、礼拝、断食、巡礼(じゅんれい)、タブー(*ハラーム)、ジハードなど多岐にわたります。宗教的内容に限らず、日常生活の法律、倫理などついても記されており、生活全般にわたって、ムスリムが善悪を判断する最高の基準となっています。

『クルアーン』は祈りのときはもちろん、日常生活のあらゆる機会に読􁨙されます。アラビア語で書かれた『クルアーン』は、翻訳は許されず、他言語に翻訳されたものは、あくまで内容の解説書だという扱いとなっています。

また、イスラム教の教義は『クルアーン』だけではなく、預言者の伝承である『ハディース』などが加わることで、イスラムス社会全般を規制するイスラム法(シャリーア)へと拡大大・発展していきます。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の宗教』
監修:星川啓慈 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1956年生まれ。1984年、筑波大学大学院哲学・思想研究科博士課程単位取得退学。1990年、日本宗教学会賞受賞。現在、大正大学文学部教授。博士(文学)。専門は宗教学・宗教哲学。主な著書に、『言語ゲームとしての宗教』(勁草書房、1997年)、『宗教と〈他〉なるもの』(春秋社、2011年)、『宗教哲学論考』(明石書店、2017年)、『増補 宗教者ウィトゲンシュタイン』(法藏館、2020年)など。


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