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アプローチのタッチを身に付けるには…!?【タケ小山のゴルフ超上達ノート】

Text:タケ小山

私がツアープレーヤー中心の生活をしていたとき、練習はショートゲームが中心でした。ロフト59度のサンドウェッジで60ヤードを打つ。それが私のゴルフのベースになっていたのです。なぜ60ヤードかというと、大胸筋の上に乗った腕が外れないスイングだからです。フルスイングすると大胸筋の上にある腕が外れてしまいますが、60ヤードだとそこまで振り上げませんから、腕の三角形が崩れない範囲のスイングで打つことができるんですね。両腕を脇の下につけておいたまま回転すると ヤードが作れる、というわけです。

林の中に打ち込んでしまったような場合、林から出して、次を寄せてパーを取ろうというマネジメントになります。そんなときに60ヤードという距離がよく残るんです。70ヤードだとしても、60ヤードのスイングでちょっとスピードを速くすればプラス 10ヤードになりますから、自分を助けてくれるというか、鍵となるショットなんですね。このようにスイングのスピードを変えられるというのが実は大事で、その能力はただフルスイングで打っているだけでは身に付きません。そのためにも、腕が大胸筋に乗らないコンパクトなスイングできっちり打てるように練習しておくわけです。30ヤード前後の短いアプローチも同じですが、距離を打ち分けられるということは、自分の中に確固たる基準を持っているからこそです。

アプローチの強弱の付け方やショットの曲がり具合というのは、感覚の問題ですから、これはやっぱり練習してもらわないと身に付きませんし、本を読んだだけではわからない世界です。そのための練習として60ヤードがあるわけですが、その一方で、最短距離を飛ばす練習も重要だということを知っておくといいでしょう。「最短距離を飛ばす」とは文字通り、1ヤード飛ばすショットのことです。サンドウェッジでボールを打ち、1ヤード先に落とすのです。プロになるような人たちは必ずやったことがあるはずですが、アマチュアでやったことのある人は少ないはずです。馴染みのない練習でしょうが、タッチを磨くためには避けて通れません。なぜこういうことをやるのかというと、寄せるためにはボールをキャリーさせて狙った場所に落とす、という感覚が重要だからです。たとえパターであれ、ロフトが付いていますから、ボールはわずかにキャリーしてから転がり出します。1ミリ1ミリでもキャリーはキャリーなのです。

この意識を持っているかどうかが非常に大事で、パターで打ったボールが、一瞬宙浮くことをわかっているゴルファーは上手なゴルファーですし、サンドウェッジのフェースを開いて1ヤード先にポトリと落とせるタッチを持っています。そしてそれができれば3ヤード先、5ヤード先にキャリーさせて落とすことは難しくありません。ですから、練習場に行って ヤードのアプローチからポンポン打ち始めて「自分はアプローチの練習ちゃんとやってますよ」というのではダメなんですよ。それは ヤードの練習であって、タッチを磨く練習にはなっていないということです。目の前に芝がある練習場で、打席の2ヤード先ぐらいにボールが集まっているのを見たことがあるでしょうか?1球2球ならチョロしたボールかもしれませんが、同じ場所にボールが溜まっていればそれはプロか、かなりの上級者が打った痕跡なのです。

1ヤードキャリーをどのように打っているかというと、やはり加速させながら振ります。クラブを減速させてしまうとミスになりますが、それはこのときも同じなのですね。たとえば普通のアプローチでヘッドスピード10m/sで入ってきて12m/sで抜けていくように打つとすれば、0.8m/sで入ってきて1m/sで抜けていくように打つのです。それでも1ヤード以上飛んでしまうのならフェースを開きます。みなさんが持っている56度のウェッジを80度まで開いて打てばいいのです。そういう技術があれば、スイングスピードが速くても、1ヤードしか飛ばないんですよ。スコアアップのためにはショートゲームの練習を徹底的にやることですが、ただやればいいというものではありません。腕が大胸筋の上に乗らない範囲の振り幅での練習、それから1ヤードキャリーの練習、ぜひともみなさんの練習メニューに加えてやってくださいね。

【書誌情報】
『タケ小山のゴルフ超上達ノート 誰も言わない実戦的スコアアップ術』
著者:タケ小山

ゴルフスイングの習得に熱心になるあまり、スコアが二の次になっているアマチュア・ゴルファーが多い昨今。「残念ですが、こういう“スイング道”信者はスコアは作れない」と著者は言う。では、肝心のスコアメークの方法は? 本書では、ショット、アプローチ、パッティング、マネジメント、スコアアップの5項目でその方法を解説。2019年の新ゴルフルールの活用法など、具体例を上げて、わかりやすく紹介している。タケ小山流スコアの作り方が満載の1冊!