「脂質を摂ると高脂血症」は間違い?
かつて、脂(油)の摂り過ぎは体に悪いといわれた時代がありました。油を摂り血管から体に取り込めなければ高脂血症、血管にこびりつけば動脈硬化症、体に取り込めば肥満になると夢想されていたのです。しかし、動脈硬化と因果関係の深い悪玉といわれるLDLコレステロールは、食事で脂質を控えれば減少するかといえば、そうとも限りません。むしろコレステロール摂取を控えることで肝臓のコレステロール合成が増え、トントンになるとも考えられています。
中性脂肪については「脂質摂取が増えるほど、血中の中性脂肪値が低下しやすい」という科学的声明がアメリカ心臓学会から出ています。アメリカの食事摂取基準では、2015年、食べ物のコレステロール基準や脂質の基準を撤廃しました。
動物性脂質も植物性脂質も問題なく摂ることができますが、トランス脂肪酸と過酸化脂質と呼ばれる古い油だけは避けてください。液体の油を人工的に固形化するときにできるトランス脂肪酸は心臓病の発症に深く関連するといわれ、アメリカでは2018年から食品への添加を禁止しています。また、油は古くなって酸化すると有害な物質を発生します。古い油を使って調理することに加え、揚げてから時間がたった揚げ物も気を付けるようにしましょう。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 炭水化物の話』
著:山田悟
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 炭水化物の話』
著:山田 悟
昨今、健康法やダイエット法として“糖質制限”が浸透し定番となっていますが、一度やってみたものの挫折してしまう人も多く「一生続けるのは現実的じゃない…」「やっぱり主食を食べたい」という声も少なくありません。
本書では『炭水化物』をテーマに、ガマンせずに食べながら痩せる方法や生活習慣病の予防に役立つ知識を、糖尿病専門医でもある著者が図解でわかりやすく解説します。
すべてのカギは『血糖値』。血糖値と聞くと、糖尿病など生活習慣病の人だけが気にするべき数値のようなイメージがあるかもしれませんが、健康診断の数値にあらわれない『食後高血糖』は成人の2人に1人に起きているといわれており、誰もが他人事ではない数値です。
炭水化物を食べながらでも血糖値を上げない食事法を具体的に紹介し、「GI値の低い食品って太りにくいの?」「外食のときはどうすればいい?」「食べ過ぎてしまったら翌日は食事を抜くべき?」といったギモンにも医学的に回答。さらに「白米よりチャーハンのほうが太らない」「油はたくさん摂ってOK」「朝のフルーツはNG」など、今までの固定概念を覆す新常識も。
最先端の研究にもとづいた食事法で、炭水化物や糖質を「食べられない」ではなく「どう工夫して食べるか」がわかる、楽しく一生続けられるメソッドが満載の一冊です。
公開日:2024.04.23