集中していると腰痛を感じない理由
●思い当たる人は心因性腰痛の兆しあり
腰痛の原因はさまざまですが、骨や筋肉が原因の場合は、体を曲げたりすると痛みが出ます。内臓系の場合は常時痛みを感じます。しかし、「朝のタイミング」「夜落ち着いたとき」など特定のタイミングで痛みが出る人がいます。逆に、集中しているときや楽しいことをしているときは痛みがないと答える人も非常に多いです。
これは、ドーパミンシステムと呼ばれる痛みをコントロールする脳のメカニズムが働いているから。ドーパミンが分泌される間は、脳が痛みを感じるプロセスをシャットアウトしてくれます。逆に自律神経が乱れているときはドーパミンが上手に分泌できません。仕事などでひどくストレスを感じるときに腰の痛みがハッキリと出る人は、脳内物質の分泌がスムーズにできていない可能性があります。
しかも、その腰の痛みを意識すればするほど痛みは慢性化します。もし今、慢性的な腰痛を抱えている人は、腰痛のきっかけや初期症状はどうだったかを思いだしてみてください。自律神経を乱す行動が増えてきていたタイミングかもしれませんよ。一度痛みについて考えるのをやめて、もっともっと楽しいことを考えてみましょう。それだけで頭のリソースはストレスを反復することをやめて、ワクワクすることに集中します。たったそれだけですが腰の痛みは減少するはずです。
集中すると痛みが消えるその理由って?
「痛いの痛いの飛んでいけ」は、 飛んでいった痛みに意識を集中させるという効果を期待したおまじない。それと同じで、腰の痛みから他に集中する場所を変えるだけで、痛みの緩和が期待できます。
あなたが集中して楽しめることを考えよう
あなたの好きなことや楽しめることを3つ思い浮かべてみてください。それが、過度な運動や、長時間の座りっぱなし作業じゃなければ、腰痛を忘れるいいきっかけになるかも。例えば、ゴルフ。腰を酷使するゴルフなんてもってのほかなんて思われてい流かもしれませんが、打ちっぱなしで軽く振る分には良い気分転換になります。楽しみながら腰の痛みを忘れちゃいましょう。
【出典】『原因不明の腰痛は自律神経が9割』
著:小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。スポーツ庁参与。順天堂大学医学部卒業、同大学院医学研究科を修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、現職。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートや文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)、『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』(幻冬舎)など、著書も多数。
病院で検査してもわからない……。原因不明の腰痛を“自律神経”から改善する一冊。国内でおよそ3000万人が悩んでいるとも言われている『腰痛』。
腰痛の原因はぎっくり腰やヘルニアなど様々ですが、実はその80%以上が原因不明と言われています。コロナ禍でカラダを動かすことが少なくなったため、「座りっぱなしだったから」「運動不足だから」と腰痛の原因を運動不足や筋肉疲労によるものだと思い込み、原因を突き止めようと病院を受診しても、結果は『異常なし』。よくわからないまま筋弛緩剤や炎症を抑える薬だけ飲むも、なかなかよくならない、という人が多くいます。また、腰痛は気になるがゆえにインターネットで検索すると、ガンや膵炎などの症状と一致することもあり、長く続くと不安に煽られて毎日楽しく生活することができなくなってしまうことも。そんな長引く謎の腰痛ですが、それはストレスと自律神経の乱れから来る現代病『心因性腰痛』かもしれません。本書では、そんな原因不明の腰痛を持つ人に向けて、自律神経の名医が腰痛の原因になっている自律神経を整えて痛みを取る『心因性腰痛』の改善法を紹介します。リラックスするための入浴法から腸がよみがえる食事法、心を軽くするために必要な考え方、生活習慣など、誰でもすぐに実践できる心因性腰痛の改善法を掲載します。しつこい痛みで、マッサージ・整体・針など、どんなに骨や筋肉への治療を試しても良くならない腰痛をお持ちの方にはぜひ読んで頂きたい一冊です。
公開日:2022.03.08