効能よりも『気持ち』が有効
●温泉やマッサージが効く理由
温泉には炭酸水素イオンやナトリウムなど、血行促進に繋がる成分が含まれています。その成分自体が腰の痛みを緩和してくれることもあるのですが、それ以上に効果として期待できるのは「温泉に来て心がストレスフリーな状態になったこと」だと言えます。広い露天風呂や、人目を気にせずゆっくりできる瞬間。そういった気持ちは日々の喧噪から切り離された空間だからこそ生まれる感覚です。
仕事や人間関係の悩みもその時ばかりは忘れられるのではないでしょうか。マッサージをした後に自然と腰の痛みがなくなることもありますが、これもマッサージによる痛みの緩和というより、交感神経が優位な興奮状態から副交感神経が優位になってリラックスモードになったことによる痛みの緩和と考えられます。
これらのことから、心因性腰痛に好影響を与えるためには、どれだけリラックスした気持ちになれるかが重要になってきます。温泉やマッサージなどももちろん効果的ですが、気持ち次第だとわかればその状況を自宅で作ったほうが、お金もかからず、より継続してストレスフリーな状態を維持することができます。 ヒーリングミュージックを流す、アロマを楽しむなど、ぜひ非日常のリラックス空間を作ってみてください。自然と体全体の緊張状態が解かれていくはずです。
リラックスするだけで痛みは和らぐ
●温泉がなぜ腰に良いとされているのか?
温泉の効果もさることながら、デジタルデトックスや喧噪から離れることでストレス緩和が期待できるという、気持ち的なヒーソング効果もあります。
●自宅でリラックスルーティンを作ろう
テレワーク化も進み、自宅にいても体が休まらない、オンオフの切り替えが難しいという方も多いはず。そんなときは、下記の4つの項目をやってみましょう。週の頭と真ん中に取り入れてリラックスルーティンを作ってみては。
【出典】『原因不明の腰痛は自律神経が9割』
著:小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。スポーツ庁参与。順天堂大学医学部卒業、同大学院医学研究科を修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、現職。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートや文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)、『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』(幻冬舎)など、著書も多数。
病院で検査してもわからない……。原因不明の腰痛を“自律神経”から改善する一冊。国内でおよそ3000万人が悩んでいるとも言われている『腰痛』。
腰痛の原因はぎっくり腰やヘルニアなど様々ですが、実はその80%以上が原因不明と言われています。コロナ禍でカラダを動かすことが少なくなったため、「座りっぱなしだったから」「運動不足だから」と腰痛の原因を運動不足や筋肉疲労によるものだと思い込み、原因を突き止めようと病院を受診しても、結果は『異常なし』。よくわからないまま筋弛緩剤や炎症を抑える薬だけ飲むも、なかなかよくならない、という人が多くいます。また、腰痛は気になるがゆえにインターネットで検索すると、ガンや膵炎などの症状と一致することもあり、長く続くと不安に煽られて毎日楽しく生活することができなくなってしまうことも。そんな長引く謎の腰痛ですが、それはストレスと自律神経の乱れから来る現代病『心因性腰痛』かもしれません。本書では、そんな原因不明の腰痛を持つ人に向けて、自律神経の名医が腰痛の原因になっている自律神経を整えて痛みを取る『心因性腰痛』の改善法を紹介します。リラックスするための入浴法から腸がよみがえる食事法、心を軽くするために必要な考え方、生活習慣など、誰でもすぐに実践できる心因性腰痛の改善法を掲載します。しつこい痛みで、マッサージ・整体・針など、どんなに骨や筋肉への治療を試しても良くならない腰痛をお持ちの方にはぜひ読んで頂きたい一冊です。
公開日:2022.03.26