呼吸で簡単にストレスを取り除く
●焦りや緊張による失敗を防ぐ効果も
人間は、1日約2万回も呼吸しているといわれています。その呼吸も全て同じというわけではなく、緊張状態になると交感神経が高まり、呼吸が浅くなります。逆に、リラックス状態になると呼吸は深くなり、副交感神経が高まっていきます。緊張したらとにかく深呼吸をしろと言われるのは、血管が広がり心身がリラックス状態になるから。これは普段から言えることで、ストレスを感じやすいときには大きく呼吸する癖をつけておくと、自律神経の乱れを防ぐことができます。
そして、呼吸において心がけたいのは吸うと吐くのリズムを変えること。吸うときに比べて吐くときの時間を倍にすると心を落ち着かせる効果があります。具体的には【吸うとき3〜4秒をかける。吐くときは2倍の6〜8秒をかける】をイメージして呼吸してみてください。1日1回3分間、この「1:2の呼吸法」を行うだけで、焦りやプレッシャー、イライラなどを取り除け、自律神経の乱れを解消できます。また呼吸をするときは、姿勢も大事。猫背やストレートネックだと深呼吸をしても実際は肺が膨らんでおらず、呼吸が浅くなりがちです。大げさなくらい手を広げたラジオ体操の深呼吸をイメージしてみてください。頭を上向きにし、肋骨が開くことで、肺がしっかりと開きます。1:2の呼吸法と併用してみてください。
「1:2の呼吸法」でストレスを取り除く
【出典】『原因不明の腰痛は自律神経が9割』
著:小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。スポーツ庁参与。順天堂大学医学部卒業、同大学院医学研究科を修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、現職。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートや文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)、『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』(幻冬舎)など、著書も多数。
病院で検査してもわからない……。原因不明の腰痛を“自律神経”から改善する一冊。国内でおよそ3000万人が悩んでいるとも言われている『腰痛』。
腰痛の原因はぎっくり腰やヘルニアなど様々ですが、実はその80%以上が原因不明と言われています。コロナ禍でカラダを動かすことが少なくなったため、「座りっぱなしだったから」「運動不足だから」と腰痛の原因を運動不足や筋肉疲労によるものだと思い込み、原因を突き止めようと病院を受診しても、結果は『異常なし』。よくわからないまま筋弛緩剤や炎症を抑える薬だけ飲むも、なかなかよくならない、という人が多くいます。また、腰痛は気になるがゆえにインターネットで検索すると、ガンや膵炎などの症状と一致することもあり、長く続くと不安に煽られて毎日楽しく生活することができなくなってしまうことも。そんな長引く謎の腰痛ですが、それはストレスと自律神経の乱れから来る現代病『心因性腰痛』かもしれません。本書では、そんな原因不明の腰痛を持つ人に向けて、自律神経の名医が腰痛の原因になっている自律神経を整えて痛みを取る『心因性腰痛』の改善法を紹介します。リラックスするための入浴法から腸がよみがえる食事法、心を軽くするために必要な考え方、生活習慣など、誰でもすぐに実践できる心因性腰痛の改善法を掲載します。しつこい痛みで、マッサージ・整体・針など、どんなに骨や筋肉への治療を試しても良くならない腰痛をお持ちの方にはぜひ読んで頂きたい一冊です。
公開日:2022.04.16