認知症とモノ忘れは別物!
歳をとるともの忘れが多くなり、新しいことを覚えるのにも時間がかかるようになります。もの忘れがひどくなると「もしかして認知症!?」と不安になりますが、加齢によるもの忘れは誰にでも起こるもので、もの忘れ=認知症ではありません。
そもそも、認知症とは脳細胞の損傷や活動の低下によって起こるさまざまな障害により、日常生活や社会生活が困難になる状態の総称です。
おもな原因としては、脳の神経細胞のまわりに「アミロイドβ」というタンパク質が蓄積する「アルツハイマー型認知症」が有名ですが、ほかにも脳血管性認知症やレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあります。また慢性硬膜下血腫や甲状腺機能低下症などが認知症状を呈することもありますが、、それらはいずれも脳内への血流低下が要因となっていると考えられています。
認知症になると、もの忘れ(記憶障害)だけでなく、判断力や理解力の低下、時間や場所、人がわからない見当識障害、今までできていたことができなくなる実行機能障害など、さまざまな症状が起こります。
加齢によるもの忘れと認知症のいちばんの違いは、「もの忘れ自体を自覚しているかどうか」です。たとえば加齢によるもの忘れの場合、自分のもの忘れを自覚して心配しますが、認知症の場合は忘れたこと自体を忘れてしまい、自覚していないという具合です。
また、加齢による場合は体験の一部を忘れたり、ヒントがあれば思い出すことが多いのですが、認知症では体験したこと自体を忘れ、ヒントがあっても思い出せないのが特徴です。
ただし、初期の認知症は、加齢によるもの忘れとの判断がつきにくいため、気になる症状がある場合は、早めの診断を受けることが大切です。
出典:『図解 人体の不思議』監修/荻野剛志
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脳は重くてシワの数が多いほど頭がいいのか?
生物の体には不思議なポイントが沢山あります。そして特に最も神秘的なカラダの部位と言えば人間の脳です。まずは、人体の脳における不思議について解説しましょう。
動物と脳の関係を比較すると、一般に小動物ほど体重の割に脳が重く、逆に大型動物ほど軽いことがわかります。動物の脳と体重の間には、「脳の重量は体重の0.75乗に比例する」という規則性があり、これを「スケーリング」といいます。ただし、この動物界の普遍的な規則にあてはまらない動物がいます。それがヒトです。ヒトは、動物の中では例外的に大きな脳を持っているのです。
また、ヒトの場合、アインシュタインの脳が1230グラムと一般的な成人男性の脳(1350〜1500グラム)よりも小さかったことから、脳の大きさと頭のよさは関係ない、ともいわれます。しかし、カリフォルニア大学の「脳の大きさと知能指数(IQ)の関係」の研究では、わずかながら脳の大きな人ほどIQが高く、とくに「大脳皮質」の「前頭前野」と「後側頭葉」の皮質が厚い人のIQが高いという結果が発表されました。
天才は生まれつきではない、幼少期がポイント
ところが、さらに研究を進めると、皮質が厚くてもIQが高くない人がいることもわかりました。このことから「IQの高さは皮質の厚さより、脳が幼少期にどれだけ成長したかが重要」といわれてきました。この説を裏づけるように、IQが120以上の人の脳は、7〜9歳頃の幼少期にはむしろ平均よりも皮質が薄く、その後13歳まで肥大化し、厚みを増し続けていたとされ、幼少期の教育熱は高まりそうです。
しかし、一方でIQはあらゆる知能を網羅した数値ではなく、万能性がないことも把握する必要がありそうです。昔からよく「脳みそのシワが多いほど頭がいい」といわれます。しかし、脳のシワは胎児のときに大脳が形成される過程でつくられ、生まれたときにはすでにできあがっているため、成長してどんなに勉強してもシワの数は増えないそうです。
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【書誌情報】
『図解 人体の不思議』
監修:荻野剛志
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公開日:2023.10.09