持久力のある遅筋と瞬発力のある速筋がある!
筋肉は、大きく分けて「平滑筋」「心筋」「骨格筋」の3種類に分けられます。平滑筋は内臓や血管の筋肉、心筋は心臓の筋肉、骨格筋は体を動かす筋肉です。骨格筋は「筋線維」と呼ばれる直径約20〜100マイクロメートルの細い線維状の筋原線維からできていて、この筋原線維の1本1本がゴムのように伸縮することで体を動かしています。トレーニングなどで〝筋肉がつく〟というのは、この筋線維が太くなることです。
運動をすると細い筋線維は切れますが、タンパク質などで修復され、前よりも太くなって強化されるのです。筋線維には、「赤筋」と呼ばれる赤っぽい筋線維と、「白筋」と呼ばれる白っぽい筋線維の2種類があります。色の違いは「ミオグロビン」という、筋線維に酸素を貯蔵する色素タンパク質の量の違いで、赤筋は白筋よりも色素が多く、酸素をたくさん蓄えられるため、赤く、疲れにくいのです。
赤筋と白筋は、収縮速度の違いから「遅筋」「速筋」と呼ばれることもあります。収縮速度の遅い赤筋(遅筋)は、少ないエネルギーで収縮を続けることができるため長時間の持続的な運動に、収縮速度の速い白筋(速筋)は、素早く大きな力を発揮することができることから瞬発力が必要な運動に向いています。
赤身のマグロが大海原を休みなく泳ぎ回る回遊魚で、白身のヒラメは獲物を獲と るときや外敵から逃げるときだけ、素早い動きをすることを考えるとわかりやすいでしょう。持久力が必要なマラソン選手は赤筋が多く、瞬発力が求められる短距離選手に白筋が多いのは、種目によって求められる筋肉が異なるためです。ヒトの場合は、どちらのタイプの筋肉が多いかは個人によっても異なりますが、高齢になると白筋が減少するといわれています。
『眠れなくなるほど面白い 図解 人体の不思議』はこんな人におすすめ!
・人間の体の構造について学びたい
・人体における不思議なメカニズムについて触れてみたい
・誰かに話したくなる体の雑学を得たい
以上の方には「図解 人体の不思議」は大変おすすめな本です。
テレビやインターネットには健康に関するさまざまな情報があふれており、スマートフォンで専門的な知識ですら手軽に検索することが可能です。しかし、これらの健康に関する情報にはさまざまな内容が含まれており、その真偽を含めた有用性(どれが大事な情報か)を判断することが難しい状況があるように思われます。
これらの情報の有用性を判断して有効に活用し、自分自身が健康であるためには、まず人間の“からだ”についてできるだけ正しい知識を持つことが重要ではないでしょうか?なぜならこの正しい知識を持つことが、巷にあふれる健康に関する情報に流されず、鵜呑みにせず、どれが有用な情報であるのかを判断できるようになる土台となるからです。
本書では、人間の“からだ”についての理解を深めるための基本的な疑問を取り扱い、図解を入れながら、わかりやすく説明しています。読めば皆様の“からだ”のことをもっと知ろうとする意欲を刺激し、さらに知識を得るための第一歩となってくれるはずです。
脳は重くてシワの数が多いほど頭がいいのか?
生物の体には不思議なポイントが沢山あります。そして特に最も神秘的なカラダの部位と言えば人間の脳です。まずは、人体の脳における不思議について解説しましょう。
動物と脳の関係を比較すると、一般に小動物ほど体重の割に脳が重く、逆に大型動物ほど軽いことがわかります。動物の脳と体重の間には、「脳の重量は体重の0.75乗に比例する」という規則性があり、これを「スケーリング」といいます。ただし、この動物界の普遍的な規則にあてはまらない動物がいます。それがヒトです。ヒトは、動物の中では例外的に大きな脳を持っているのです。
また、ヒトの場合、アインシュタインの脳が1230グラムと一般的な成人男性の脳(1350〜1500グラム)よりも小さかったことから、脳の大きさと頭のよさは関係ない、ともいわれます。しかし、カリフォルニア大学の「脳の大きさと知能指数(IQ)の関係」の研究では、わずかながら脳の大きな人ほどIQが高く、とくに「大脳皮質」の「前頭前野」と「後側頭葉」の皮質が厚い人のIQが高いという結果が発表されました。
天才は生まれつきではない、幼少期がポイント
ところが、さらに研究を進めると、皮質が厚くてもIQが高くない人がいることもわかりました。このことから「IQの高さは皮質の厚さより、脳が幼少期にどれだけ成長したかが重要」といわれてきました。この説を裏づけるように、IQが120以上の人の脳は、7〜9歳頃の幼少期にはむしろ平均よりも皮質が薄く、その後13歳まで肥大化し、厚みを増し続けていたとされ、幼少期の教育熱は高まりそうです。
しかし、一方でIQはあらゆる知能を網羅した数値ではなく、万能性がないことも把握する必要がありそうです。昔からよく「脳みそのシワが多いほど頭がいい」といわれます。しかし、脳のシワは胎児のときに大脳が形成される過程でつくられ、生まれたときにはすでにできあがっているため、成長してどんなに勉強してもシワの数は増えないそうです。
シリーズ累計300万部は伊達じゃない!豊富に使われた図解の圧倒的わかりやすさ
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健康を考える上で「人体」について知っておくことの重要性はとても高いです。この一冊を読んで、睡眠を深く知り、健康な体を手に入れましょう。
【書誌情報】
『図解 人体の不思議』
監修:荻野剛志
「頭のよさは脳の大きさと関係ない?」「別腹は本当にある?」「恋愛は3か月で冷める?」「薄毛も肥満も遺伝のせい?」ーー科学が発達した現在でも「人体」は多くの謎と不思議に包まれ、最も身近で興味深く関心の高いテーマです。本書では、最新データや研究にも触れながら、人体のナゾとフシギを解き明かします。実際に役立つ知識と情報満載の1冊!
公開日:2023.11.11