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指や首の関節が「ポキポキ」と鳴る、あれって何の音なの?【人体の不思議】

Text:荻野剛志

関節液の気泡が一気に弾ける音という説が有力

膝の屈伸やストレッチをしたときに関節が〝ポキッ〟と鳴ることがあります。「クラッキング」とも呼ばれ、指の関節をはじめ首や顎、手首、肘、膝など、いろいろな関節で起こる現象です。子どもの頃、指の関節をわざと鳴らしたことがある人も多いのではないでしょうか。この音の正体については、長年いろいろな説が考えられてきましたが、最近の研究では、関節液(滑液)の小さな気泡が崩壊することで発生する音だという説が有力です。

関節は、「関節包」という袋で覆われ、骨と骨の間にあるわずかな隙間は潤滑油の役目を果たす「関節液(滑液)」によって満たされています。指を引っ張ったり急に関節を曲げたりすると、骨と骨の間は離れますが、滑液の量はそのままなので関節包内の圧力が一気に下がります。すると、滑液の中に二酸化炭素などのガスが生じて、気泡ができます。これは、密封された状態で圧力が下がると中から気体が発生するという、液体の性質のためです。

そして、さらに関節内の骨が離されると、この気泡が一気に移動して弾け、その音が周囲の軟骨や骨、関節包、腱などに反響して〝ポキッ〟とした音になるのです。

一度鳴らした関節を、続けて何度も鳴らせないのは、ガスが再び滑液に溶けるまで時間がかかるためです。よく、指の関節をポキポキ鳴らし続けると指が太くなる、といわれますが、その真偽は定かではありません。ただし、気泡が弾ける瞬間は、小さな面積に1トン以上もの力が働くといわれます。無理な力をかけ続けると、関節の組織を損そこなう可能性もあるので、おもしろがって鳴らすのは控えたほうがよさそうです。

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テレビやインターネットには健康に関するさまざまな情報があふれており、スマートフォンで専門的な知識ですら手軽に検索することが可能です。しかし、これらの健康に関する情報にはさまざまな内容が含まれており、その真偽を含めた有用性(どれが大事な情報か)を判断することが難しい状況があるように思われます。

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脳は重くてシワの数が多いほど頭がいいのか?

生物の体には不思議なポイントが沢山あります。そして特に最も神秘的なカラダの部位と言えば人間の脳です。まずは、人体の脳における不思議について解説しましょう。

動物と脳の関係を比較すると、一般に小動物ほど体重の割に脳が重く、逆に大型動物ほど軽いことがわかります。動物の脳と体重の間には、「脳の重量は体重の0.75乗に比例する」という規則性があり、これを「スケーリング」といいます。ただし、この動物界の普遍的な規則にあてはまらない動物がいます。それがヒトです。ヒトは、動物の中では例外的に大きな脳を持っているのです。

また、ヒトの場合、アインシュタインの脳が1230グラムと一般的な成人男性の脳(1350〜1500グラム)よりも小さかったことから、脳の大きさと頭のよさは関係ない、ともいわれます。しかし、カリフォルニア大学の「脳の大きさと知能指数(IQ)の関係」の研究では、わずかながら脳の大きな人ほどIQが高く、とくに「大脳皮質」の「前頭前野」と「後側頭葉」の皮質が厚い人のIQが高いという結果が発表されました。

天才は生まれつきではない、幼少期がポイント

ところが、さらに研究を進めると、皮質が厚くてもIQが高くない人がいることもわかりました。このことから「IQの高さは皮質の厚さより、脳が幼少期にどれだけ成長したかが重要」といわれてきました。この説を裏づけるように、IQが120以上の人の脳は、7〜9歳頃の幼少期にはむしろ平均よりも皮質が薄く、その後13歳まで肥大化し、厚みを増し続けていたとされ、幼少期の教育熱は高まりそうです。

しかし、一方でIQはあらゆる知能を網羅した数値ではなく、万能性がないことも把握する必要がありそうです。昔からよく「脳みそのシワが多いほど頭がいい」といわれます。しかし、脳のシワは胎児のときに大脳が形成される過程でつくられ、生まれたときにはすでにできあがっているため、成長してどんなに勉強してもシワの数は増えないそうです。

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【書誌情報】
『図解 人体の不思議』
監修:荻野剛志

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