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「意識の変化」が結果に繋がる!スピードが武器のユーティリティプレーヤー・千葉ロッテマリーンズ小川龍成!!【ラブすぽ独占インタビュー】

Text:花田雪

今季はスタメン出場も大幅に増

身長171センチは、プロ野球選手としてはかなり小柄な部類に入る。それでも突出したスピードと、それを活かした守備、打席でのしぶとさは今のチームにはなくてはならない存在だ。プロ4年目を迎えた小川龍成は今季、昨季までと比較して出場機会も大幅に増やした。これまでの代走、守備固めではなく、スタメン出場も増えてきた。当然、一軍で期待されるハードルも高くなる。プロでの「生き残り」をかけた戦いを続ける背番号57に、ここまでの手応えと後半に向けた意気込みを聞いてみた。

「何を求められているか」を
打席で考えられるように

――今季はプロ入り以降、キャリアハイの数字を積み重ねてきています。

小川 ずっと試合に出させて頂いて、良い方も悪い方も結果が出ているので、自信にはなっていると思います。

――「良い方」の結果とは?

小川 守備の面でも良いプレーができていますし、バッティングも打席での粘りだったり、これまでと比べてヒットが出るようになっている部分ですね。

――昨季までと比較して、なぜ結果が出るようになったと思いますか?

小川 特にバッティング面で、意識の部分が大きく変わったことが大きいと思います。去年まではどうしてもヒットを欲しがってしまったのですが、今年はそういう欲を捨てて「チームのために何ができるのか」を一番に考えるようになりました。それが、結果に繋がっているんだと思います。

――そういう意識の変化はなぜ生まれたのでしょう。

小川 「自分はどうやってプロの世界で生きていくのか」を改めて考えた時に、自分の望んでいることだけをやったり、追い求めてもダメなのかなと。コーチの方と話をしたりして、自分に求められているものや自分の役割を考えた時に、打席の中で今何がやれるのか、一番確率が高い選択は何か……そういうことを考えたら、おのずとやるべきことが見えてきたんです。

――たとえば5月31日の阪神戦は、今話してくれたことを体現したような試合だったと思います。(※小川選手は2打数2安打4四球、全6打席で出塁して最後はサヨナラの押し出し四球を選んだ)

小川 あの試合は1打席1打席、自分がやれることを考えてしっかりと結果を残せたと思います。(1点ビハインドの3回には)セーフティスクイズも決められましたし、10回裏の場面ではヒットで決めたいという気持ちもありましたけど、そこを抑えてフォアボールを選ぶことができました。

――10回裏、2死満塁でフルカウントになった時点で頭の中は「四球」と「ヒット」がどのくらいの割合だったのでしょう?

小川 ほぼ100パーセント、フォアボールでした。際どいボールは飛ばさずにファウルでいいくらいのイメージで、最後は「狙い通り」でした。

――3回、2死三塁から決めたセーフティスクイズは自分の判断?

小川 そうですね。サードの位置を見て「勝負できるかな」と思いました。自分がヒットを打つ確立とセーフティが決まる確立を比べた時、あの場面ではセーフティの方が確立は高いと判断したんです。

100のスピードではなく、70のスピードを意識。

――守備についても伺います。これまでも守備の評価は高かったと思うのですが、今季はスタメン出場に比例するように守備機会も増えています。バッティングでの「意識の変化」のように、何か「変えた」部分はあったのでしょうか?

小川 感覚的な話になるんですけど、これまでよりも「遅くプレーする」イメージを持っています。

――「遅く」ですか?

小川 はい。たとえばゴロをさばく時も、打球に入る、ボールを捕る、握りを替える、投げる、という一連の動作を、自分の中でしっかりと確認しながら、丁寧に動くイメージです。

――それは、守備の確実性を上げるため?

小川 もちろんそうなんですけど、自分の中ではゆっくり動いているつもりでも、実際に動きのスピードが遅くなったかというと、決してそうではなくて、「このくらい遅いイメージでも、スピード自体はあまり変わらないんだ」というのは新しい発見でした。

――スピードは損なわずに、確実性を上げることができた。

小川 これまでは、自分のスピードを制御しきれていなかった部分があったんです。それでミスすることもありました。でも、一つひとつの動きを確認しながらでもやれることが分かったので、自分の中で大事にしている「ピッチャーが打ち取った打球を確実にアウトにする」こともできるようになってきたかなと。

――自分のMAXを100だとしたら、どのくらいのスピードでプレーしているイメージですか?

小川 70くらいですかね。それでも、コーチの方からは「実際のスピードは全然変わっていないよ」と言われます。

――ポジショニングなどにもこだわりがある?

小川 バッターの打球方向などは事前に頭に入れています。ただ、データだけでなくて、実際にグラウンドに立った時に感じている打者のスイングや雰囲気も参考にしながら、守備位置を決めるようにしています。

オフでも野球のことを考えてしまう

――今季はスタメン出場も増え、身体に疲労がたまってくる時期でもあると思います。何かリフレッシュする方法などはあるのでしょうか?

小川 それは……実はなくて困っているんです(笑)。試合後やオフの日も、どうしても次の試合のことが気になって動画やデータを見てしまうんですよね。そうやって「次の試合はああしよう、こうしよう」と考えていると、気づけば時間が経ってしまう。疲労がたまっていないわけではないので、身体も心も切り替える必要はあるのかな、とは思うんです。ただ、今の自分は休むより、とにかく野球のことを考えた方がいい時間でもある気もしていて。シーズンが後半に入ったら、今より疲れもたまると思うので、その時は改めてリフレッシュする方法を考えようと思います(笑)。

――ありがとうございます! 最後に、後半戦に向けての目標、意気込みを聞かせてください。

小川 守備はもちろん、他の選手よりもできないといけないと思っています。バッティングではここまで大事にしている「自分が求められていること」をさらに追及して、調子の波を小さくする。その中でフォアボールを含めて出塁すること、次のバッターに繋いでいくことを、これまで同様に意識していきたいと思います。ファンの皆さんも、応援よろしくお願いします!

収録:2024年6月12日
インタビュー及び記事執筆:花田雪
協力:千葉ロッテマリーンズ

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