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将来は日本を代表する打者へ!千葉ロッテマリーンズ西川僚祐【ラブすぽ独占インタビュー】

Text:花田雪

東海大相模からドラフト5位で千葉ロッテマリーンズに入団したルーキー・西川僚祐。恵まれた体格と規格外のパワーを誇る未来の長距離砲は今、プロ1年目をファームで過ごしている。ルーキーイヤーの今年、プロとして感じる課題と手応え、さらには後輩たちへの想いを訊いた。

高校生の140キロと
プロの140キロは全然違う

――まずはプロ1年目のここまでを振り返って頂きます。シーズン開幕から数カ月が過ぎましたが、プロの世界には慣れましたか?

西川 そうですね。後半戦に入ってようやく、プロのピッチャーの球だったり、そういう部分には少しずつ慣れてきたかなと思います。

――当初はアマチュアとプロの差を感じることもあった?

西川 とまどうことや、分かりやすい『差』を感じることは、実はそれほどなかったんです。でも、逆にその状況でも結果が出なかったので少し悩んだことはありました。今は自分が何をすればいいのか分かってきたので、少しずつ馴染んできた感覚です。

――「何をすればいいか分かった」というと?

西川 バッティングでいうと、バットの出方、タイミングのとり方、しっかりと右足に体重を乗せたままボールを待てるか。そういう自分の中の「チェックポイント」みたいなモノがはっきりしてきて、少しずつですけど感覚が良くなっている印象です。

――というと、最初に苦しんだのはいわゆる「間(マ)」ですか?

西川 たとえば、高校野球には2段モーションがないので、そういうフォームのピッチャーに合わなかったり、真っ直ぐのスピードも違います。あとは相手が右ピッチャーのときにかかとに体重が乗ってしまうクセがあったので、思うように踏み込めないこともありました。今はそういう部分を少しずつ改善しているところですね。

――そういった課題や改善策は自分で見つけるのでしょうか。

西川 コーチをはじめ、いろいろな人にアドバイスをもらっています。それを自分で試しながら試行錯誤したら、実戦で結果が出るようになってきました。

――木製バットへの対応はスムーズにいきましたか?

西川 自分に合うバットを探すのに、少しだけ苦労しました。でも今はほとんど違和感なくやれています。芯に当たれば木製の方が飛ぶ感覚もありますし、バットの使い方さえ間違わなければ問題はないかなと。

――プロは高校と違って毎日試合があります。開幕から数カ月プレーして、「疲れ」みたいなものはないですか?

西川 ……あります(笑)。高校時代は平日が授業と練習、土日に試合というサイクルだったんですけど、今は朝起きてから夕方まではずっと野球をやっています。1週間でいうと、特に(連戦の後半にあたる)土日は「こんなに体が動かなくなるのか」と思うこともありますね。

――体重が落ちたりはしない?

西川 それは大丈夫です。自分はもともと、夏場でもほとんど体重が落ちないタイプなので。

――ここまでシーズンを戦ってきて、「課題」と感じる部分はありますか。

西川 一番は真っすぐをはじき返すことですね。140キロ台後半~150キロの真っすぐを、いかに捉えるか。

――最近は高校生も球速が上がっていますけど、プロはやはり違う?

西川 違いますね。たとえば140キロくらいの真っすぐでも、すごく速く感じることがあります。高校生の140キロとプロの140キロは、「全然違う」ということを今は実感しています

将来は日本を代表する
ようなバッターになりたい

――入団会見のとき、球団からは「日本人初のZOZOマリンスタジアム場外弾を打ってほしい」というコメントもありました。長打力は西川選手の強みだと思いますが、そのあたりの手ごたえは感じていますか。

西川 いえ、まだまだです。正直、今は具体的な目標を立てられるレベルではないと思っています。とにかくプロのボールに食らいついて、必死にやっている状態なので、結果にこだわれる段階ではない。もちろん、早くそのレベルにいきたいという思いはありますけど……。そのためにも体作りやバッティング練習はきっちりやりたいなと。

――では、現時点では数字は意識していない?

西川 もちろん長打を打ちたい、ホームランを打ちたいという思いはありますけど、そこ(数字)はあまり意識しないようにしています。

――チームからは育成方針について何か言われていますか?

西川 バッターボックスに入ったら三振を恐れずにとにかく振っていけということは言われています。

――それは、実践できている?

西川 いや、まだ「三振したくないな」と思ってしまうことはあります……(苦笑)。全打席、初球から思いっきり振れているわけでもないですし、そこは自分の課題でもあります。

――プロのピッチャーのすごさはお聞きしましたが、たとえばバッターで「この人すごいな」と思った選手はいますか?

西川 全員、すごいです(笑)。「なんでそんな速いボールをフルスイングで捉えられるんだろう」と思うことは数えきれないほどあります。外野を守っていても本当に一瞬で打球が飛んでくるので。

――少しだけ、将来のことも聞かせてください。プロ野球選手としてこれから、「こういう選手になりたい」という理想はありますか?

西川 一番は、日本代表になりたいです。もちろんホームラン王を獲りたいとか、いろいろな思いはありますけど、最終的には日本を代表するようなバッターになること。プロ野球選手として、そこは目指していきたいです。

――東京五輪は見ましたか?

西川 もちろん、見ました。

――感想は?

西川 同じプロ野球という世界でプレーしているはずなのに、まるで世界が違うという感覚です。将来、こういう選手と対戦するかもしれないとか、いろいろ考えたんですけど、ちょっとレベルが違い過ぎて、実感はわきませんでした(笑)。

――具体的に目標としている選手はいますか?

西川 「誰」と言われると特にいないです。ただ、1軍でプレーしている選手のバッティングや、動画は見るようにしています。例えば(井上)晴哉さんにはどういうバットがいいかとか、どうすれば逆方向に大きな打球が打てるのかなど、アドバイスをもらっています。動画だと、鈴木誠也選手(広島)をよく見ますね。ボールへの入り方、ボールの見方は僕自身も意識している部分なので、そういうところはすごく勉強になります。

センバツ優勝を果たした
後輩たちと、恩師への想い

――最後に少しだけ母校・東海大相模の話も聞かせてください。今年、後輩がセンバツで優勝、そして夏は部員にコロナ感染者が出て出場辞退。先輩として、どういう思いで見ていましたか?

西川 ピッチャーは石田(隼都)投手をはじめ、良い選手が揃っているのは知っていましたけど、野手陣は「こんなに打てるようになったのか」と思うような選手がたくさんいました。やっぱりうれしかったですね。一緒にプレーした後輩たちが、少し見ないうちにものすごく成長していて。最後の夏はああいう形になってしまいましたけど、僕らも最後は甲子園を目指すことができなかったので、少しは気持ちが分かるというか……。でも、甲子園はあるのにそれを目指せなかったという意味では、もしかしたらぼくらより悔しかったのかなという思いもありますね。とはいえ、センバツの優勝はすごいことだし、僕らのぶんまで頑張ってくれたのかなと思っています。

――夏を最後に退任された門馬敬治監督には連絡したんですか?

西川 実はまだできていないんです。いろいろありすぎたからタイミングが難しくて……(苦笑)。ただ、自分もシーズン終盤まできているんで、プロとしての1年間をしっかりと終えてから、改めて良い報告と、「お疲れ様でした」を言いたいですね。

――ありがとうございました!

千葉ロッテマリーンズ 西川僚祐選手 ラブすぽ独占インタビュー(収録:2021年9月8日)

インタビュアー及び執筆:花田雪
協力:千葉ロッテマリーンズ

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