動きケア®コア・ベーシック・エクササイズ4
腹圧を高められるかを確認してから行う
腹圧のトレーニングを紹介します。腹圧を高めるためには、まずは横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群を意識しながら部分的に動かしていくことが大切です。まずは床をしっかりと踏めるのかを確認します(画像1) 。足の裏で床をしっかりためには腹圧を高めることが必要で、しっかりと踏めている人は足が動きません。一方で簡単にできると思っている方でも意外と足が動いてしまうのがこのチェックです。その場合、腹圧がかかっていないのです。ここでは
①主に腹横筋
②主に横隔膜
③主に多裂筋
④腹圧かけ(いきむ)
を意識して行う4つのエクササイズを紹介します。簡単なエクササイズですが、それぞれのコアの筋を意識して部分的に刺激を入れていくと、先ほどの床踏みでしっかりと床を踏めるようになります。
床踏みチェック
イスに座った状態で床をしっかりと踏むようにし、パーートナーに足を動かしてもらう。これで足が動かなければ上手く腹圧がかかっている(いきめている)目安になる。足が動いてしまう場合はコアの筋が十分に使えていない可能性がある
腹横筋を意識して行うエクササイズ
まずは腹横筋を意識してお腹だけを凹ませます。できるようなら次は少し難しい四つばい位で行います。
横隔膜を意識して行うエクササイズ
鼻から吸って口からはく腹式呼吸を行います。肩や胸を動かさずに、下腹だけが動くように呼吸を繰り返します。まずははく時間と吸う時間を2:1の割合で行います。次にはく:吸う:止めるを2:1:1の割合で行います。
多裂筋を意識して行うエクササイズ
多裂筋は背骨の配列を保持する筋です。まずは四つばい位で、腕や脚を動かしても背骨を動かさずに保持する感じをつかみましょう。
腹圧をかける
最後のエクササイズは意図的にいきんで腹圧を高めます。お腹に当ててもらった指やボールを、腹圧を高めることで押し返すようにします。
床踏みチェックで変化を体感する
4つのエクササイズが終わったら、再びイスに座って床を踏み、パートナーに足を動かしてもらいます。4つのエクササイズでコアの筋を働かせると、腹圧を高めて床を踏むことで、足が動かないことを実感できるでしょう。このようにまずはコアのそれぞれの筋を部分的に動かすことで、自然に腹圧を高めることができます。腹圧を高めることは、腰痛の予防改善にもつながります
出典:『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』
【書誌情報】
『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』
土屋真人
スポーツと姿勢は重要な関係にあり、姿勢が歪んでしまうと筋肉・柔軟性・可動域・バランスなどに影響を及ぼします。姿勢はちょっとしたことでも狂ってしまいますが、その修正方法を多くの選手は知りません。本書は姿勢を改善することでパフォーマンスをアップさせるとともに、ケガの予防にも役立つために、なぜ不調や痛みが生じるのか、どこの姿勢が狂っているのが原因なのかをわかりやすく解説し、その改善方法やトレーニングについてイラストと写真でビジュアル的に紹介します。人によって不調が生じる部分は様々です。首、肩。胸郭部、背中、腰、股関節、足、などの各部位ごとに必要な柔軟性をチェックし、不調の整え方、効果的なトレーニング、改善方法を、トレーナーを指導する体育協会理事長の著者が徹底解説する初めての一冊になります。
公開日:2024.07.09