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不調を見抜く簡単セルフ身体チェック! 「サイドステップ」&「スタートチェック」【スポーツ障害予防の教科書】

Text:土屋真人

サイドステップ&スタートチェック

足裏の使い方バランスをチェックする

今回はサイドステップによる動きチェックです。スポーツ場面で使うサイドステップはスピード感あるものだと思いますが、ここではわかりやすくするためにゆっくりとした横への動きでチェックしてみてください。ここでの前足とは進む方向側の足を、後ろ足とは進む方向と反対側の足を指します。ここでもポイントは足裏3領域の使い方のバランスです。前足は小指・小指球側で蹴り、後ろ足は母指・母指球側で蹴って進む形が標準的です。これは、前足と後ろ足、小指・小指球側と母指・母指球側をバランスよく使えている状態です。一方、避けたいのが両膝を内側に向ける(両足とも母指・本運動をできるようにしましょう(部分・動きケア®)。そのうえで、両足のつま先を少し開いて構え、前足の小指・小指球側、後ろ足の母指・母指球側でしっかり地面をとらえその両方を使って地面を蹴ってスタートするようにしてみましょう。これだけで、後ろ足への今までの負担を半分にすることができます。また、先ほどと同じように構え、両足に均等に体重をかけ、前足側の膝を進行方向に素早く向けてスタートする意識で行ってみましょう。こうすると骨盤を支えていた2本の脚の前側の支えが急にはずされた形になり、結果的に後ろ足で蹴らなくて母指球荷重)の形です。この形では前足で床を蹴ることができないため後ろ足の蹴りだけに頼ることになり、後ろ足に過度の負担がかかります。本来であれば前足と後ろ足の負担が50%と50%のところが前足0%、後ろ足1 0 0%になるからです。母指・母指球側(足裏内側)、脛(すね)、膝内側、股関節などに大きな負担がかかるので注意が必要です。

サイドステップ【スポーツ障害予防の教科書】

次に横へのスタートです。ここでも注意したいのは両膝を内方に向ける(両足とも母指・母指球荷重)の形です。この形では前足で床を蹴ることができないため一旦後ろ足へ体重を移動して、後ろ足の蹴りだけに頼ってスタートすることになり、後ろ足に過度の負担がかかります。このように母指・母指球側ばかり使う動き方のクセができあがってしまうと、サイドステップでも、横へのスタートでも、方向変換のきでも、母指・母指球側ばかり使う動きになり、負担部位により大きな負担を加えるというスポーツ障害が起こりやすいサイクルに入ってしまうので注意が必要です。すでにこのサイクルに入っている方は、まずは、身体を部分に分けてチェックし、十分にできなくなっている基本運動をできるようにしましょう(部分・動きケア®)。そのうえで、両足のつま先を少し開いて構え、前足の小指・小指球側、後ろ足の母指・母指球側でしっかり地面をとらえその両方を使って地面を蹴ってスタートするようにしてみましょう。これだけで、後ろ足への今までの負担を半分にすることができます。また、先ほどと同じように構え、両足に均等に体重をかけ、前足側の膝を進行方向に素早く向けてスタートする意識で行ってみましょう。こうすると骨盤を支えていた2本の脚の前側の支えが急にはずされた形になり、結果的に後ろ足で蹴らなくてもスタートしてしまうことになります。これがチェック項目の(1)にある「前脚を上手にはずしてスタートできているか」の説明になります。少し難しいかもしれませんが、楽しみながら後ろ足に過度な負担をかけないスタートの仕方を探求してみてください。

スタートチェック【スポーツ障害予防の教科書】

サイドステップ(左方向)のチェック

チェック項目

(1)骨盤はやや前傾しているか

(2)足裏にはバランスよく荷重ができているか

(3)脚のつけ根・膝・足首の配列はまっすぐか

(4)膝の方向とつま先(人差し指と中指の間)の方向が同じか

(5)前足の小指側と後ろ足の母指側で蹴れているか

できていない例

(1)骨盤→骨盤が後傾している

(2)足裏への荷重→つま先側が浮いている、体重が偏っている

(3)脚のつけ根・膝・足首の配列→膝が内側もしくは外側に位置している

(4)膝の方向とつま先の方向→違う方向を向いている

(5)地面の蹴り方→後ろ足だけで蹴っている

膝の曲げ伸ばしの姿勢チェック【スポーツ障害予防の教科書】

横(右方向)へのスタートチェック

チェック項目

(1)前足の小指側と後ろ足の母指側でバランスよく蹴れているか
または前足を上手にはずしてスタートできているか

出典:『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』

【書誌情報】
『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』
土屋真人

スポーツと姿勢は重要な関係にあり、姿勢が歪んでしまうと筋肉・柔軟性・可動域・バランスなどに影響を及ぼします。姿勢はちょっとしたことでも狂ってしまいますが、その修正方法を多くの選手は知りません。本書は姿勢を改善することでパフォーマンスをアップさせるとともに、ケガの予防にも役立つために、なぜ不調や痛みが生じるのか、どこの姿勢が狂っているのが原因なのかをわかりやすく解説し、その改善方法やトレーニングについてイラストと写真でビジュアル的に紹介します。人によって不調が生じる部分は様々です。首、肩。胸郭部、背中、腰、股関節、足、などの各部位ごとに必要な柔軟性をチェックし、不調の整え方、効果的なトレーニング、改善方法を、トレーナーを指導する体育協会理事長の著者が徹底解説する初めての一冊になります。

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