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東大卒キックコーチ/田所剛之が教えるボールの速さと回転を決める要因とは!?【東大卒キックコーチが教える本当に正しいキックの蹴り方】

Text:田所 剛之

速さと回転を決める要因

ボールの速さと回転はトレードオフの関係

続いて、速さと回転についてです。先程と同じ図を用いて考えてみましょう。今度はボールを蹴る位置をボールの真ん中より少し下に固定して加える力の向きを変えて比較してみます。それぞれについて先程の方法で矢印を書き込んでみると、先述の通り打ち出し角度は全ての場合において共通になることが分かるかと思います。

一方で、速さと回転に寄与する成分の矢印の大きさを比べてみるとボールの中心に向かう力の加え方をした場合に速度最大、回転最少になり、そこから外れるに従って回転が増え速度は落ちていることが分かります。

 つまり、ボールの速さと回転はトレードオフの関係にあり、速さが増えると回転が減って、回転が増えると速さが減ってしまいます。そして、この速さと回転の比率を決めているのは力を矢印として表現した際にその矢印がボールの中心に向かう角度からどれだけ外れているかになり、外れる方向によって回転の方向も決まることになります。現在は真横から見た図のみを考えていますが、真上から見た図を考えれば横回転にもこの考え方を応用することができ、ボールの中心から外れるほど横向きの回転が増えて速度は落ちることになります。

速さと回転のトレードオフ

加えた力は速度と回転に分配される。ボールに加える力の方向(赤い矢印の方向)により回転と速度の比率が決まる。中心に近いほど速度大、外れるほど回転大。

速度最大・回転小

速さと回転のトレードオフ 速度最大・回転小『東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方』
速さと回転のトレードオフ『東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方』

速度平均・回転平均

速さと回転のトレードオフ 速度平均・回転平均『東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方』

速度最小・回転最大

速さと回転のトレードオフ 速度最小・回転最大『東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方』

ボールのさらに上から当てると地面に叩きつける形になる。

【出典】『東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方』 著:田所 剛之

『東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方』はこんな人におすすめ!

・効率的なキックを蹴りたい!
・サッカーで我が子に活躍してもらいたい!
・本当に正しいキックの蹴り方を知りたい

と感じている方には大変おすすめな本です。

著者・田所剛之氏は東京大学でスポーツバイオメカニクスを専攻し、卒業研究ではサッカーのインサイドキックを力学的に研究しました。在学中は、東京大学サッカー部のフィジカルコーチも務めました。また、学生ながらパーソナルトレーナーとしても活動しており数多くのJリーガーを指導しています。本書では感覚的なことは一切排除をして、物理学的に正しいとされるキックの理論を解説します。いままでは慣習的に正しいとされていたけれども、物理学的には間違っていたキックの常識にメスを入れ、本当に強いシュートの蹴り方、本当にゴールに繋がるフリーキックの蹴り方、本当に味方が求めるパスの蹴り方を身に付けられます。

オールカラーでイラストと写真をふんだんに使い、サッカープレイヤー、サッカー指導者だけでなくサッカー少年・少女の保護者にも理解しやすい作り

強いシュートを打つ、良く曲がるフリーキックを蹴る、ピンポイントパスを出すなど理想的なキックを蹴るために必要なことは何か?それは正確な物理学の知識と、それを再現できるようになるための正しい練習法なのです。キックとは「蹴り足とボールの瞬間的な衝突がすべてを決める」。このことを正しく知っていれば無駄で間違った練習をしなくて済みます。1つ例をあげれば衝突後のフォロースルーなんてどんな形でもよいのです。

一般的なアプローチと本書でのアプローチ『東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方』

気になる中身を少しだけご紹介!「飛距離を伸ばす!」斜め上向きに力を加える方法

身体よりも前でボールにインパクトする

まず、少しのバックスピンをかけて速いボールを打ち出すために斜め上向きの地方を加える方法を考えます。キック動作中の蹴り足の動きは大雑把に言うと蹴り足側の股関節を軸とした振り子運動です。振り子運動は軸の真下で最下点を迎え、軸より後ろでは振り下ろす向きの運動を、軸より前では振り上げる向きの運動をすることになります。

この振り子運動の途中でボールにインパクトして斜め上方向に力を加えようと思うと振り子の軸よりも前にインパクトポイントを持ってくる必要があるので、蹴り足側の股関節よりも前、イメージ的には身体よりも前でボールにインパクトすることが必要になります。厳密に言うと、実際にはキック動作中の蹴り足は、股関節と膝に二つの軸を持つ二重振り子のようになります。ロングキックのインパクト付近では股関節の動きに対して膝関節の動きが十分に速くなるので、膝関節の振り子を考えれば良く、斜め上向きの力を加えるには膝関節をボールより後ろに持ってくることが必要になります。この場合でも身体よりも前にインパクトポイントがくることになるので、身体の前でインパクトするイメージを持っておけば十分です。

斜め上向きに力を加える方法『東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方』

★速さ、回転、打ち出し角度がボールの軌道を決める
★軸足のブレーキはインパクトの質の向上にも貢献する
★股関節の動きで蹴り足の運動方向を調整する
★飛距離を最大化するには?

などなど気になるタイトルが目白押し!

この本をしっかりと頭に入れて正しいキックの練習をすれば思い通りのキックが蹴られる選手になれること間違いなし!

【書誌情報】
『東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方』
著:田所 剛之

東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方

著者・田所剛之氏は東京大学でスポーツバイオメカニクスを専攻し、卒業研究ではサッカーのインサイドキックを力学的に研究しました。在学中は、東京大学サッカー部のフィジカルコーチも務めました。また、学生ながらパーソナルトレーナーとしても活動しており数多くのJリーガーを指導しています。本書では感覚的なことは一切排除をして、物理学的に正しいとされるキックの理論を記す。いままでは慣習的に正しいとされていたけれども、物理学的には間違っていたキックの常識にメスを入れます。本当に強いシュートの蹴り方、本当にゴールに繋がるフリーキックの蹴り方、本当に味方が求めるパスの蹴り方を身に付けられます。オールカラーでイラストと写真をふんだんに使い、サッカープレイヤー、サッカー指導者だけでなくサッカー少年・少女の保護者の方などにも理解しやすい作りとなっています。

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