力を左右に外す方法
蹴り足の内側にインパクトして蹴り足を自然に振る
ボールに加わる力をボールの中心に向かう方向から左右にずらすためのポイントは、蹴り足の面を蹴り出し方向に向け、蹴り足の運動方向をそこから左右にずらすことです。ロングキックの蹴り方の章(75p)で蹴り足の内側にインパクトする際には膝のお皿の向きが外側に向くので自然に蹴り足を振ってくると、蹴り足の運動方向は外方向に向いてしまうという話をしました。ロングキックを蹴る際には、横回転をかけたくないので蹴り足の軌道をまっすぐ向けるために蹴り足の股関節を動かすことで調節しました。
カーブを蹴る際には、ロングキックの時と同様に蹴り足の内側にインパクトするようにしながら、股関節による調節を利用せずにそのまま膝下の振りを出すことによって横回転をかけることが可能です。横回転の量は蹴り足の振りがボールの中心に向かう方向からどれだけ大きくずれるかで決まります。
横回転が多すぎると速度が落ちてしまい実戦では使いづらいキックになるので、実際にはロングキックの時と同様に蹴り足の運動方向を蹴り出し方向に向ける調節をしながら速度と回転のバランスを取ることが重要になります。横回転によるカーブの変化は回転数と速度の両方の影響を受けるというのは第1章で述べた通りなので、実際には横回転はそこまで多くない速いボールを蹴るのが有効である場合が多いです。
横回転かけるための蹴り足の動き
蹴り足の内側にインパクトすると膝のお皿の向きは外を向く。この状態で膝下を振ると蹴り足の運動は外に向く。ロングキックの時と同様に股関節の動きで外に外れる度合いを調節できる。
【出典】『東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方』 著:田所 剛之
『東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方』はこんな人におすすめ!
・効率的なキックを蹴りたい!
・サッカーで我が子に活躍してもらいたい!
・本当に正しいキックの蹴り方を知りたい
と感じている方には大変おすすめな本です。
著者・田所剛之氏は東京大学でスポーツバイオメカニクスを専攻し、卒業研究ではサッカーのインサイドキックを力学的に研究しました。在学中は、東京大学サッカー部のフィジカルコーチも務めました。また、学生ながらパーソナルトレーナーとしても活動しており数多くのJリーガーを指導しています。本書では感覚的なことは一切排除をして、物理学的に正しいとされるキックの理論を解説します。いままでは慣習的に正しいとされていたけれども、物理学的には間違っていたキックの常識にメスを入れ、本当に強いシュートの蹴り方、本当にゴールに繋がるフリーキックの蹴り方、本当に味方が求めるパスの蹴り方を身に付けられます。
オールカラーでイラストと写真をふんだんに使い、サッカープレイヤー、サッカー指導者だけでなくサッカー少年・少女の保護者にも理解しやすい作り
強いシュートを打つ、良く曲がるフリーキックを蹴る、ピンポイントパスを出すなど理想的なキックを蹴るために必要なことは何か?それは正確な物理学の知識と、それを再現できるようになるための正しい練習法なのです。キックとは「蹴り足とボールの瞬間的な衝突がすべてを決める」。このことを正しく知っていれば無駄で間違った練習をしなくて済みます。1つ例をあげれば衝突後のフォロースルーなんてどんな形でもよいのです。
気になる中身を少しだけご紹介!「飛距離を伸ばす!」斜め上向きに力を加える方法
身体よりも前でボールにインパクトする
まず、少しのバックスピンをかけて速いボールを打ち出すために斜め上向きの地方を加える方法を考えます。キック動作中の蹴り足の動きは大雑把に言うと蹴り足側の股関節を軸とした振り子運動です。振り子運動は軸の真下で最下点を迎え、軸より後ろでは振り下ろす向きの運動を、軸より前では振り上げる向きの運動をすることになります。
この振り子運動の途中でボールにインパクトして斜め上方向に力を加えようと思うと振り子の軸よりも前にインパクトポイントを持ってくる必要があるので、蹴り足側の股関節よりも前、イメージ的には身体よりも前でボールにインパクトすることが必要になります。厳密に言うと、実際にはキック動作中の蹴り足は、股関節と膝に二つの軸を持つ二重振り子のようになります。ロングキックのインパクト付近では股関節の動きに対して膝関節の動きが十分に速くなるので、膝関節の振り子を考えれば良く、斜め上向きの力を加えるには膝関節をボールより後ろに持ってくることが必要になります。この場合でも身体よりも前にインパクトポイントがくることになるので、身体の前でインパクトするイメージを持っておけば十分です。
★速さ、回転、打ち出し角度がボールの軌道を決める
★軸足のブレーキはインパクトの質の向上にも貢献する
★股関節の動きで蹴り足の運動方向を調整する
★飛距離を最大化するには?
などなど気になるタイトルが目白押し!
この本をしっかりと頭に入れて正しいキックの練習をすれば思い通りのキックが蹴られる選手になれること間違いなし!
【書誌情報】
『東大卒キックコーチが教える 本当に正しいキックの蹴り方』
著:田所 剛之
著者・田所剛之氏は東京大学でスポーツバイオメカニクスを専攻し、卒業研究ではサッカーのインサイドキックを力学的に研究しました。在学中は、東京大学サッカー部のフィジカルコーチも務めました。また、学生ながらパーソナルトレーナーとしても活動しており数多くのJリーガーを指導しています。本書では感覚的なことは一切排除をして、物理学的に正しいとされるキックの理論を記す。いままでは慣習的に正しいとされていたけれども、物理学的には間違っていたキックの常識にメスを入れます。本当に強いシュートの蹴り方、本当にゴールに繋がるフリーキックの蹴り方、本当に味方が求めるパスの蹴り方を身に付けられます。オールカラーでイラストと写真をふんだんに使い、サッカープレイヤー、サッカー指導者だけでなくサッカー少年・少女の保護者の方などにも理解しやすい作りとなっています。
公開日:2023.11.16