自分にぴったりな〝一足〟を探す
ランニングシューズの選び方
パフォーマンスを向上させるには、シューズや着用するウェアも大切な要素の一つです。もちろん、ランナーにとってシューズの性能は実際に走りを左右する重要なファクターで、良い走りをするためには自分の足や目的に合ったシューズ選びが欠かせません。ただ、僕は市民ランナーの方にアドバイスをする時に、まずは「これを履いたら速く走れるかもしれないな」「このシューズを履いたらかっこいいな」というインスピレーションを大切にしてほしいという話をしています。
気に入ったものを着用して練習やレースに臨んだ方が、モチベーションが上がるからです。でも、実際に履いてみると、シューズと自分の足幅が合わなかったり、シューズの甲の部分の素材がフィットしないと感じる場合もあります。ネットなどで購入する際は、1度購入したことがあるシューズのみにしましょう。
例えば、25㎝のシューズでもメーカーによってはサイズ感が微妙に異なる可能性もありますから。基本的には専門のスポーツショップなどで自分が気に入った数足をいくつか試し履きをして、その中から条件をクリアし、ジャストフィットしたシューズを選んで履くのが良いでしょう。
シューズを選ぶポイント
自分の足の形や走り方を把握して試し履きをして、目的やレベルに合わせたシューズを選ぶことが重要です。
足にフィットしたものを選ぶ
足のサイズに合わないシューズは、足への負担がかかる場合があります。大きすぎても小さすぎてもいけないので、まずは自分の足の正確なサイズを知り、ちょうどよいサイズを選んでください。つま先にゆとりのないものを選ぶと、走っている途中できつくなってしまうかも。少し余裕があって、指が楽に動かせるとよいですね。アーチサポートが土踏まずにフィットしているかどうかも確認してみてください。かかとがヒールカップにちゃんと収まっているのもポイントです。
安定性の高いものを
機能性やクッションなどは、靴の種類やメーカーによって大きく異なります。ランニング中に左右のブレをおさえて、足の軸が安定するようなものを選ぶとよいでしょう。
グリップ力が高い
グリップ力が高いと、つま先で地面を捉えて蹴り出す力が強くなって、前に進む力に変えることができます。
着地の衝撃吸収の機能が高い
クッション性や反発性にすぐれた機能をもった靴底は、着地の衝撃から足裏、ひざ、腰、関節などの負担を減らしてくれ、捻挫などの怪我の回避にもつながります。靴底の素材によっては、着地の際のプレーキを前方への推進力に変えたり、走りの安定を生んでくれます。
【Point】軽量性はオススメも、衝撃吸収機能は大切に
大会などで上位を目指すランニングの上級者向けのシューズは、最低限の機能を残して必要最低限まで衝撃吸収機能をそぎ落したものがあります。ソールや履き口などの厚さが違っていて、特に初心者は地面の反発をもろに受けてしまいって長距離を走るとトラブルを起こす可能性や疲労が蓄積することも。自身のランニングのフェーズによって、シューズを変えてみてください。
【出典】『「山の神」神野大地の必ずやるべきランニングバイブル』 著:神野大地
【書誌情報】
『「山の神」神野大地の必ずやるべきランニングバイブル』
著:神野大地
青山学院大学時に「山の神」として一躍脚光を浴び、箱根駅伝4連覇に貢献した神野大地氏。彼が日々実践するトレーニングとランニングメソッドを初心者ランナー向けにまとめた一冊。元々は学生時代、ケガに苦しみ思うように走れなかった時期に、食事やセルフケアを見直しトレーニング法を身体に負担のかからないように改善するなど、様々な改革を実行した神野氏は大学卒業後も自身が考案したトレーニングでケガを予防しながら記録を伸ばしています。正しいランニングフォームで走ることはもちろん重要ですが、走り始める前のストレッチ法や、ランニング後のセルフケアの仕方などランナーの心構えとして知っておきたい実践法を紹介。
公開日:2024.06.28