どうして地形や気候がお金にかかわってくるの!?【図解 地理と経済の話】
地理とお金に直接的な結びつきはなさそうですが、どんな関係があるのでしょうか。
地理と経済は密接な関係にある
当たり前の話ですが、世界の国々はそれぞれ経度・緯度が異なっています。気候や地形などもひとつとして同じ場所はなく、国によって経済状況もまるで違います。
気候や地形が違えば、とれる農作物や有利な産業も異なるので、産業スタイルがそれぞれ違ってくるのは当然です。
高温多湿な国は、農作物が豊富にとれます。逆に寒い地域は、農作物が育ちにくいものの酪農が盛んです。つまり、農業や産業は地理によって大きく左右されます。
たとえば、日本国内でも暖かい地域と寒い地域では名産品が異なりますし、対策すべき自然災害も異ってきます。だからこそ、国や地域によって経済的な豊かさも変わってくるのです。
流通経路がしっかりと整備されている国は、物やサービスが集まりやすくなります。つまり、流通や交通は経済に直結するというわけです。
ただ、こうした違いこそが、地理を学ぶうえで重要なポイントになります。もしも経済的に弱いのであれば、それはその国や地域が持っている課題と言い換えることができます。そして、その課題を解決するためには、情報を集めたり、整理したり、分析したりするプロセスが必要不可欠なのです。
地理を知れば、経済事情だけではなく、あらゆる角度からいろいろなものの見方ができます。それこそが地理を学ぶ醍醐味なのです。
地理によって生じる時差を有効に使うことで、経済的な恩恵を受けられることもあります。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』
著者:井田仁康
著者プロフィール
井田仁康:筑波大学名誉教授。博士(理学)。1958 年生まれ。日本社会科教育学会長、日本地理教育学会長などを歴任し、日本地理学会理事。筑波大学第一学群自然学類卒。筑波大学大学院地球科学研究科単位取得退学。社会科教育・地理教育の研究を行っている。著書や編著書に『読むだけで世界地図が頭に入る本』(ダイヤモンド社)、『世界の今がわかる「地理」の本』(三笠書房)などがある
累計300万部突破!『眠れなくなるほど面白い図解シリーズ』経済ジャンル最新刊、世界のニュースもお金の流れも、地理がわかればもっと面白い!『地理と経済の話』
昨今、地理的条件から政治を分析する「地政学」が注目を集めています。国土の形や立地、隣国との位置関係や気候などから、政治的・軍事的な影響を研究する学問で、世界情勢を紐解くうえで欠かせない考え方といえます。実は、地理は政治だけでなく、経済にも大きく関わっています。一見繋がりが見えにくい地理と経済の話ですが、
・インドでIT産業が特に発展したのはなぜ?・天然資源に恵まれたアフリカがなかなか成長できなかったのはなぜ?・中国やインドに続いて今後さらに伸びていく国はどこ?・中東で大量の石油が採れるのはなぜ? これらはすべて「地理」で説明ができます。今の世界情勢からこの先世界がどう動いていくかまで、世の中の流れがわかるようになる「経済地理学」が面白く学べる一冊です!
公開日:2024.10.01