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出雲大社のご神体は西方向、すなわち北九州を向いている理由とは!?【日本史】

Text:鈴木 旭

従来より、出雲では銅剣銅矛(どうほこ)中心の九州文化と銅鐸(どうたく)中心の大和文化が混在していたのですが、ある日、突然終焉したと推測されています。荒神谷(こうじんだに)(出雲市)で大量の銅剣、銅鉾、銅鐸が整然と埋納された状態で出土したからです。

 

しかも、出雲大社のご神体は西方向、すなわち、北九州を向いていることで知られ、大国主命(おおくにぬしのみこと)の伝説伝承は大和に連なっているというわけで、どっちつかずですが、出雲独自の文化があったことは明らかです。

 

さらに注目されるのが、加茂岩倉遺跡に広がる壮大な磐座(いわくら)遺跡群と大量の銅剣、銅鉾、銅鐸を出土した荒神谷遺跡が南方に聳(そび)える仏経山を中心に繋がること。こちらが出雲文化の本拠地だという説も出ています。

 

こうした事情から、仏経山が本拠であり、出雲大社は単なる監視塔付きの砦だったという極論まで出る始末です。いずれにしろ、出雲文化論は再構築が求められています。

 

出典:『図解 眠れなくなるほど面白い 日本史』著/鈴木旭

【書誌情報】
『図解 眠れなくなるほど面白い 日本史』
著:鈴木 旭

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