左の胸鎖関節の位置で方向は決まる
では、どうすれば、意図して曲がる球を打ち出すようになるのでしょうか?
まず、打ち出す方向を決めます。
あなたは、どこに球を打ちたいか、アドレスで狙いを定めるとき、どこに気を付けますか? スタンスの向き――多くの人は、そう答えます。
でも、球の飛び出す方向と、スタンスの向きはまったく関係ありません。
左の胸鎖関節(鎖骨の付け根=私はここを通称「グリちゃん」と呼んでいます)が球より前(目標側)にあるか、後ろ(目標後方側)にあるか、で球の飛び出す方向は決まるのです。言い換えれば、ボールの位置で打ち出す方向は変えられるのです。
たとえば、高いドローボールを打ちたいときは、左鎖骨をフェアウェイ右の上空に向ける。低いフェードボールを打ちたければ、左鎖骨をフェアウェイ左の地面に近い方向に向ける 。それだけで、打ち出す高さは変えられます。
打ち出す方向が決まったら、次は球に回転を与えるための準備作業です。右に打ち出した球は、途中から左に返ってこなければ、ただのプッシュアウトになります。右に打ち出した球が途中からフェアウェイに戻ってきて初めて、意図したドローになります。そのためには球に左回転のスピンを与えなければなりません。
どうすると、球に左回転のスピンを与えられるのでしょうか。簡単です。クラブフェースを目標方向に向けてやればよいのです。
試しに、まずチーピンを打ってみましょう。
使うクラブはドライバーで、ふだん通りに構えます。球の位置もスタンスも、あなたがふだん構えている通りにアドレスします。その後、いったん、グリップを解いて、クラブフェースを思い切り左に向け、向いた状態でグリップし直します。クラブフェースは左なおかつ下を向いていますね。そしたら、そのまま打つのです。
どうです、思い通りに球は左に曲がったでしょう。球筋はチーピンであれ、意図した通りに左に曲がったことは紛れもありません。
出典:『誰でもできるナイスショットの絶対法則』著/佐久間馨
【書誌情報】
『誰でもできるナイスショットの絶対法則』
著者:佐久間馨
ゴルフのパットがうまくなるために、1アドレス(構え方)、2ストローク(打ち方)と距離感、3グリーンの読み方を写真を交えてその方法をわかりやすく解説。ラウンド当日の練習方法も、5分間~20分間の練習時間別に紹介。パッティングは、グリーンの傾斜を読む力、その感性を育むために必要な基礎技術をこの本で体得していただきたいと願いながら書きました。技術と感性が向上し、スコアアップに、そしてゴルフのおもしろさアップにつながりましたら幸いです。
公開日:2021.12.31