部下と「ラポール」を築くことが何より大事
「8聴き2しゃべり」を続けていくと部下との間に「ラポール」が生まれます。
ラポール(Rapport)とは、フランス語で「共感」を意味します。心理学用語では、共感に基づく信頼関係、心の通い合った関係のことです。
私は、ラポールを「心の架け橋」と意訳しています。リーダーと部下の間は、ラポールのある関係が理想です。
部下と気心の知れた関係を築くには、堅い話よりも雑談のほうが部下の感情に響きます。
「調子はどうだい」「この前のレポート良かったよ」「今日は誕生日だね」など、部下が答えやすい話題を心がけて、自分から積極的に声をかけましょう。
心の通い合う関係というのは、こちらが相手に心を許すだけでは成立しません。
相手もこちらのことを信頼し、安心して、心を開いてくれなければなりません。
人が、安心して心を開ける相手というのは、いわゆる「有徳の人」です。
中国の古典『菜根譚(さいこんたん)』には、「徳は才の主(しゅ)、才は徳の奴(ど)」という言葉があります。
私はスキル(才)のある人を「できる人」、徳のある人を「できた人」と言っています。
部下との間にラポールを築けるリーダーは「できる・できた人」です。
リーダーは、スキルだけの「できる人」では一流とはなれません。
スキルと人間力(徳)を備えた「できる・できた人」であって、はじめて部下は安心して、リーダーに心を開けるようになるのです。
【出典】『面白いほど役に立つ 図解 人を動かすリーダー力』
著者:新 将命 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
新 将命(あたらし まさみ) 株式会社国際ビジネスブレイン代表取締役社長。1936年東京生まれ。早稲田大学卒業。シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなどグローバル・エクセレント・カンパニー6社で社長職を3社、副社長職を1社経験。現在、ライザップグループ株式会社など数社のアドバイザーを務める。「伝説の外資トップ」と称され、“実論”にもとづいた独自の経営論・リーダーシップ論には定評がある。
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公開日:2022.07.13