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手足がしびれたり麻痺したりするのも老化が原因で起きやすいの!?しびれの本当の原因とは【図解 老化の話】

Text:長岡功 野村義宏

老化するとしびれがよく出るのはどうして?

「しびれ」とはよく耳にする言葉ですが、実際は「ピリピリ感」「じんじんした感じ」「鈍い感じ」「触れると嫌な感じ」、さらには「重だるさ」や「力が入らない」など、症状の詳細はさまざまで、いずれも神経に異常が見られる状態です(下図)。

しびれの原因

知覚神経は手足の神経受容体から脊髄を遡って脳に達し、運動神経は逆に脳から脊髄を下り、手足の筋肉を動かします(下図)。そのどこかで障害が起こればしびれを感じ、運動麻痺が生じるわけです。加齢によって動脈が硬くなる“動脈硬化”になると、“脳梗塞”などの脳血管障害を発症する率が高まります。そうして脳の特定の部位で神経が障害されると、手足にしびれや運動障害を起こすのです。

知覚神経と運動神経の伝達

脊髄では、脊椎骨の加齢現象である“変形性脊椎症”によって、脊髄そのものや、そこから枝分かれする神経根が圧迫され、その結果、手足に痛み、しびれ、時に運動麻痺さえ生じることがあります。首を伸ばして上を見たり、左右に側屈したときに手や腕に痛みやしびれが走るのであれば、頚椎が原因です。歩くと両下肢にしびれと痛みを生じる場合は、“腰部脊柱管狭窄症”が疑われます。指の第一関節の加齢現象である“へバーデン結節”(下図)でも、指先にしびれを訴えることがあります。

へバーデン結節

また、糖尿病によって手足の毛細血管が障害されたり、動脈硬化により下肢動脈が閉塞されたりすると、血管性の神経障害が起き、末梢に手袋状のしびれを生じます。はっきりした神経の障害がなくても、各種ストレスや老人性のうつのため、心因性のしびれを手足に訴えることがあります。さて、あなたは今、どこかの部位でしびれを感じていますか?

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』監/長岡功 野村義宏

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』
長岡 功 総監修/ 野村 義宏 監修

高齢化や平均寿命が伸びた社会では、「老化」は誰もが避けられない、しかし誰もが可能な限り抗いたいテーマ。その多くは人体の「老化現象」、またそれに伴う「諸症状」として、完全には克服できないまでも、原因やしくみを知ってうまく対応すれば、症状を「やわらげる」ことや、日常生活での「影響を少なくする」こと、また「目立たなくする」ことが可能である。本書では具体的に、老化にともなう病気・諸症状の原因に言及し、その対処・対策法を解説、紹介する。中高年以降の健康と美容の悩みを楽しく読めて、一気に解決する一冊です。

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