クラブの動きを複数の視点で理解する
飛球線後方から見るとヘッドは曲面上を動く
クラブの動きを飛球線後方からも見ておきましょう。シャフトのラインで上がっていくとP2でクラブが地面と平行になると同時に、飛球線(ボールを目標を結ぶライン)にも平行になります。それと同時にもうひとつ重要なことは、P2でリーディングエッジが前傾角度と平行になることです。これは、軌道に対してフェースの向きがP1からずっとスクエアのままだったということです。
P3からP4に向かうあいだにヘッドは一番高いところに上がり、そこから腕がさらに上がっていくのに対し、ヘッドは下降してP4に達します。P3でグリップエンドが自分から一番遠い位置にきていることもひとつの着目ポイントです。
ダウンスイングでは、クラブヘッドは、上がってきた面より少し低い位置、つまりインサイドを通ります。これは体がダウンスイングの動きを先行し、クラブが後から下りてくるためのラグ(遅れ)の結果です。しかし、P6でクラブヘッドはほぼシャフトプレーンに乗ります。しかもフェースはボールを向く、つまりP2と同じで前傾角度と平行になっていることが重要です。
そしてそのままP8で、再びシャフトが地面と平行、かつ飛球線と平行で、フェースが前傾角度と平行になります。P6でフェースの向きが軌道に対してスクエア。P8でも同じ。これができていれば、途中にあったP7でもスクエアだったということになります。
後方から見たクラブの動き
ヘッドの軌道。動き始めはシャフトプレーン上を動き、上昇していく。ダウンスイングでは、上がってきた軌道よりも少し低い位置で下り、インパクトゾーンでシャフトプレーンにほぼ乗ってくる。
手の軌道も、ヘッドの軌道と同じように、下りていくときの軌道は低い位置になる。また、手の軌道はヘッドの軌道よりも急な角度になっている。
出典:『ゴルフ当たる!飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』著/奥嶋誠昭
【レッスンプロ情報】
●奥嶋誠昭
1980年生まれ。ツアープロコーチ。アマチュアゴルファーからツアープロまで最先端機器を使ったバイオメカニクス(動作のコツを解析する)をもとに、ゴルファーの要望に合ったスイングづくりに定評がある。JGTOツアープレーヤー。2020―2021年国内女子ツアー賞金王、東京五輪銀メダリストの稲見萌寧など、数多くのトッププロ選手の指導実績を持つ。
【書誌情報】
『ゴルフ 当たる! 飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』
著者:奥嶋誠昭
スウィングづくりやスウィングレッスンをテーマとする多くのゴルフ書は、写真、動画などの映像を使ってスウィング時の身体の動きを解説する。
その見せ方では、手や足、身体の動きや動かし方は表現できても、例えば「インパクトを感じる手の感覚」「インパクト時の足の感覚」といった、スウィング時の身体が感じる感覚までは伝えづらい。そこで本書では、スウィングで体感する手や足の感覚をイラストでできる限り具体化し、読者にその感覚をつかんでもらい、スウィングづくりの向上を目指す。著者は、スウィングの解析システムを駆使し、プロ、アマ問わず多くのゴルファーのスウィングを分析している奥嶋誠昭プロ。同プロ独自のスウィング動作をイラストを通して解剖、図解化し、ゴルフスウィングの上達に役立てる。
公開日:2023.11.09