朝ごはん 子どもも大人もしっかり食べてしっかり集中
学校生活を豊かにするために
近年、子どもの朝食抜き(欠食)が問題になっています。*²¹厚生労働省による2019年度の調査によれば、ふだん朝食をとらない子どもは、1~6歳で4.7%、7~14歳で4.4%、15~19歳では12.9%にのぼることがわかっています。
子どもには、活動するためのエネルギーに加えて、成長するためのエネルギーも必要です。子どもは大人に比べて体重あたりのエネルギー必要量が多いので、朝食抜きでエネルギー不足になれば、成長に影響しかねません。
さらに、体温が上がらない、便秘になる、午前中に集中できない、肥満になりやすいなどのリスクも指摘されています。
原因をとり除き、朝食習慣をつける
朝食を食べない理由はさまざまですが、一緒に暮らす大人が朝食を食べる習慣がないと、子どもも朝食抜きになる傾向が見られます。
また、寝る時間が遅い子どもほど、朝食抜きになりやすいという報告もあります。スマホをいじったりテレビを観たりして夜更かしすることが多いと、光の刺激でなかなか眠れず、夜食をとる機会が増えますし、朝起きるのもつらくなりますよね。
とはいえ、夜早く寝かすのはなかなか大変です。その場合は朝をがんばって早く起こすようにしましょう。人には体内時計(サーカディアンリズム)というものがあり、起きてから15時間くらいで自然に眠たくなります。
朝食抜きは子どもの成長だけでなく、学校生活にも影響をおよぼしてしまいます。まずは子どもが朝食をとらない原因をとり除き、朝に食欲が出ないようであれば、飲み物や軽い食事から始めて、少しずつ朝食の習慣をつけるとよいでしょう。
朝食におすすめのメニュー案は174ページで紹介します。
*²¹厚生労働省(2019)『国民健康・栄養調査、昼、夕別にみた1日の食事状況-朝・昼・夕別、食事状況,年齢階級別,人数、割合-総数・男性・女性、1歳以上』
【出典】『小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事』著:工藤紀子
【書誌情報】
『小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事』
著:工藤紀子
子どもに栄養バランスのよい食事をいっぱい作ってあげたい、子どもには元気にすくすくと育ってほしいなどの思いに応えるため、子どもの体・脳・健康と成長をサポートするための知識やアイデアを紹介しています。「小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事」では、楽に楽しく安全にをモットーに、身近でさほど効果でない食材で食事の悩みを解決していきましょう。
公開日:2024.07.23