加齢で“3つの匂い”が変化する!老化と臭いの関係とは?【図解 老化の話】

ミドル脂臭の発生は、3段階で進みます(下図)。エクリン腺(汗腺)が乳酸を含んだ汗を、皮脂腺が皮脂を分泌。次に頭皮の常在菌(ブドウ球菌)が乳酸と皮脂を分解。最後に臭いを発生させるジアセチルと中鎖脂肪酸が発生し、臭いが混ざりあってミドル脂臭が発生、という流れです。

加齢臭は、加齢にともない皮脂腺の中のパルミトオレイン酸が増加し、同時に過酸化脂質も増えはじめます。この過酸化脂質がパルミトオレイン酸と結びつくことで、分解・酸化されてできるのが、加齢臭の元である「ノネナール」という物質です

3つの臭いの変化

“疲労”も臭いのもとです。年代に関係なく、疲労により蓄積されたアンモニアのような疲労物質が溜まると肝臓で処理しきれなくなり、それが汗として排出されると体臭がアンモニア臭くなるのです。体臭には個人差があり、体調によって変化し、病気になっても変化します。

余談ですが、がんにも臭いがあり、訓練された犬や線虫はがんの臭いをかぎ分けることが報告されています。ところで、臭いによるストレスのレベルは、その臭いを悪臭と感じるかどうか、ということで変わるのです。

思春期でも、ミドルエイジでも、高齢期でも、臭いは成長のあかしであり、無臭がよいというわけではないことを理解していただきたいものです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』監修:長岡功/野村義宏

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』
総監修:長岡功 / 監修:野村義宏


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