毎年何万人も銃による死者を出しているのに、銃規制が一向に進まないアメリカが銃社会である理由とは?【図解 地理と経済の話】

アメリカが銃社会である理由も地理でわかる【図解 地理と経済の話】
殺人や自殺、誤射などを含めて、毎年何万人も銃による死者を出しているアメリカ。凄惨な乱射事件が起こるたびに規制の気運が高まるものの、一向に銃規制は進んでいません。
私たち日本人からすると、そんな物騒なものは即刻禁止にしてしまえばいいのに……と思ってしまいますが、アメリカの人々にとって、銃というのはそう易々と手放せるものではないのです。
まず、どうしてアメリカで銃の所持が認められているかというと、それはアメリカの土地柄にあります。とにかく土地が広大なため、命や財産に危害が及びそうになった際、警察を呼んでも日本に比べてすぐには来てくれません。それゆえに、自分で自分を守るしか手立てがなく、銃を持たざるを得なかったのです。
また、経済的な理由もあります。コロナ禍で社会不安が高まった2020年、アメリカの銃の販売数は2300万丁を記録しました。これだけの数を販売するということは、製造会社や販売店、射撃場など、銃市場の就労者数は相当な規模になります。もしも銃が全面的に禁止されれば、雇用が大きく失われるだけに、経済的ダメージは計り知れません。これも銃規制が進まない大きな要因というわけです。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』
著者:井田仁康
著者プロフィール
井田仁康:筑波大学名誉教授。博士(理学)。1958 年生まれ。日本社会科教育学会長、日本地理教育学会長などを歴任し、日本地理学会理事。筑波大学第一学群自然学類卒。筑波大学大学院地球科学研究科単位取得退学。社会科教育・地理教育の研究を行っている。著書や編著書に『読むだけで世界地図が頭に入る本』(ダイヤモンド社)、『世界の今がわかる「地理」の本』(三笠書房)などがある
累計300万部突破!『眠れなくなるほど面白い図解シリーズ』経済ジャンル最新刊、世界のニュースもお金の流れも、地理がわかればもっと面白い!『地理と経済の話』
昨今、地理的条件から政治を分析する「地政学」が注目を集めています。国土の形や立地、隣国との位置関係や気候などから、政治的・軍事的な影響を研究する学問で、世界情勢を紐解くうえで欠かせない考え方といえます。実は、地理は政治だけでなく、経済にも大きく関わっています。一見繋がりが見えにくい地理と経済の話ですが、
・インドでIT産業が特に発展したのはなぜ?・天然資源に恵まれたアフリカがなかなか成長できなかったのはなぜ?・中国やインドに続いて今後さらに伸びていく国はどこ?・中東で大量の石油が採れるのはなぜ? これらはすべて「地理」で説明ができます。今の世界情勢からこの先世界がどう動いていくかまで、世の中の流れがわかるようになる「経済地理学」が面白く学べる一冊です!
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