サンマに胃がないって知ってた? “便秘知らず”の秘密が面白すぎる!【眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話】


サンマのはらわたが美味しい理由
日本列島に沿って、季節ごとに北と南を回遊する「サンマ」。ほかの魚に比べて脂肪が多く、サンマの塩焼きは秋の味覚の代表です。夏は北に、冬は南に向かって移動します。回遊する理由は、成長して卵を産むため。サンマは豊富なプランクトンを求め、北の海へ向かいます。そして成長したのち、産卵するために南の海へ旅を続けるのです。
実はサンマには「胃」がありません。これは「無胃魚」といい、コイやメダカも同様です。腸が短く、エサは20~30分ほどで消化されてすぐに排泄される「便秘知らず」の魚なのです。内臓(はらわた)まで美味しく食べられる秘密はここにあるといえるでしょう。
また、サンマは寿命が短いという特徴もあります。マサバが10年、マイワシが8年といわれている中、サンマの寿命は約1~2年と非常に短命。寿命が短い分、短期間でプランクトンやエビなどのエサをたくさん食べて体長は35㎝ほどに大きく急成長します。そのため、旬のサンマは脂が乗っていて美味しいのです。
サンマの旬は9~10月の1カ月間だけですが、美味しいサンマには見分け方があります。目がきれいで濁っていないもの、背中が盛り上がって小顔なもの、口先が黄色いものの3つを満たしているかをチェックしてみましょう。
食べたものは即消化でいつもすっきり

【胃がなく、腸が短い「無胃魚」】
胃がないサンマは、エサを直接腸で消化・吸収・排泄するので、内臓は常にスッキリしている。そのため、はらわたまで美味しく丸ごとがぶりと食べられるのだ。
美味しいサンマの見分け方
下記のポイントを満たせば、脂の乗った美味しいサンマを楽しめる!

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』監修:さかなのおにいさん かわちゃん
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』
監修:さかなのおにいさん かわちゃん
食べること、飼うこと、水族館などでの鑑賞など、日本人にとって身近な生物の“魚類”。
魚類は生き物にしては珍しく、大きさや形、色、生息地域もさまざまなので、個体ごとの身体的特徴も大きく変化します。
また、食用としての魚と観賞用としての魚、漁業などのビジネスとしての魚では注目するポイントが異なるため、色んな角度から見ることができる面白い生物です。
「最古の魚は5億年前! 魚類の誕生と進化」「魚は何を食べる?」
「カニみそは脳みそではなく、肝臓や膵臓にあたる部位」
「シーラカンスが絶滅しなかったのは、味が激マズだったから!?」
「クジラ界にも「ヒット曲」があり、世界中の海で流行る」などなど
そんな魚のあらゆる疑問や意外な生態、誰かに教えたくなる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。
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