なぜ日本人はパンを食べるようになった? 栄養の観点で見るご飯とパンの違い【眠れなくなるほど面白い 図解 米の話】

栄養で比べるご飯とパン

健康の決め手はバランス

朝はトースト、昼はサンドイッチ、夜は白いご飯 ─ 私たちの食卓には、米とパンが自然に共存しています。とはいえ、「健康を考えるなら、どちらを選ぶべきか」と迷ったことはありませんか?

白米は脂質が少なく消化がよいため、胃にやさしいとされます。ただし、食物繊維が少なく血糖値が上がりやすい点には注意が必要です。一方、食パンは小麦粉に砂糖や油脂を加えて焼くためカロリーはやや高めですが、全粒粉パンなどを選べば食物繊維やビタミンが豊富で、栄養価が高まります。また、パンはバターやジャム、ご飯はおかずと一緒に食べるのが一般的で、どちらも単体では評価できません。つまり、栄養面で「ご飯とパンのどちらを選ぶか」は、精製度や量、食べ方によって大きく変わるのです

結局のところ、健康を左右するのは「米かパンか」という二択ではなく、何をどう食べるかという日々の選び方にあるといえるでしょう。

ちなみに、パンが日本の食卓に広がった背景には、戦後の政策があります。第二次世界大戦後、食糧難に直面した日本に対して、アメリカは余った小麦を援助として提供しました。この援助を活用して学校給食ではパンと脱脂粉乳が主食となり、「パンを日常食として定着させる」ことも目的のひとつだったのです。

ご飯とパン、選らぶならどっち?

白米を玄米や雑穀米にすれば、より健康に近づきます。パンも素材具材、塩分に注意すればヘルシーに食べられるでしょう。

なぜ日本人はパンを食べるようになった?

1945年 終戦後に、食糧難が深刻化/1946年 アメリカから小麦の輸入支援が開始される/1947年   学校給食にパン登場(小麦粉・脱脂粉乳)/1950年代 パン食が家庭にも浸透/現在 パンが日常に溶け込む食文化に

戦後のパン普及は、栄養支援であると同時に、アメリカの農業戦略でもありました。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 米の話』著:トキオ・ナレッジ


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